Author Archives: 岡田 健志

About 岡田 健志

デジタル・ナレッジ「eラーニング戦略研究所」にて、最新技術(AI,VRなど)を使った教育の可能性について日々考察。 スイーツ好きの、のほほん関西人。東京はまだまだ不慣れ。

教育×AR ~ARの「超越」はeラーニングに何をもたらすか~

最近、JINS MEMEが欲しくてたまらない、「研究員」岡田です。やっぱり、社内でも家庭内でも稟議が必要でしょうか…
さて、皆さんは、ARを普段どの程度使われていますか? 「ポケモンGO」が流行し、一度くらいはAR技術に触れた方もおられるかもしれませんが、普段、そこまで使ってらっしゃる方は少ないかと思います。
まだまだエンターテイメント用の技術であり、普段使い(日常生活や普段の学習)に使うイメージではないでしょうね。
しかし、ARには大きなポテンシャルがあると考えられます。
本日は、8月28日に公開されたMENSONの梶谷さんの刺激的な記事を読んで触発されたので、VRとも異なるARのeラーニング活用について考えてみたいと思います。
その梶谷さんの記事といういのは、こちら。 https://note.mu/kajiken0630/n/n0e43ab1bac6a
この記事を読んで、MENSON(https://www.meson.tokyo/)さんの活動が非常に気になりました。
さて、詳細はオリジナルの記事を読んでいただくとして、この記事では以下の5つのポイントについて、ARが超越していく、と語られています。
1. O/Oの超越
2. 知覚の超越
3. 距離の超越
4. 時間の超越
5. 規模の超越
教育×ARということで、教育(初等中等教育~人材育成)での適用ポイントについて、1に特化して考えてみましょう。
(1)O/Oの超越
個人向けサービスとして、スマホで教科学習を行うというのは一定の認知がされていますし、実際に効果的な勉強方法として利用されています。自分の理解度に応じて、早送りしたり、再度動画再生したりできるというメリットがあり、中高生の中での浸透は結構あります。
ただ一方では、特に初等中等教育では、「コンテンツを提供する側」のオンライン対応が進んでいません。従来、教材といえば「紙」であり、それが永らく支配的でした。英語の教科書と、数学の教科書は別で、ノートは別…そういった物理的に独立している教材は、今や、タブレットで一元化されていきます。ただし、それでも教育上の「壁」となっていたのが、このO/Oの壁です。
教材はあくまでもリアルとは切り離されたものでした。どういうことかと言うと、例えば体育で「野球」のことが書かれている教材があったとして、その教材と、「プレイする」というリアルは一旦切り離されていた、ということです。プレイをしながら教材を見る、なんてことはありえませんでした。よく「座学」という言葉が使われますが、従来の教材を使って学習するのは「座学」の時間であって、「実践」の場・時間とは切り離されていました。(切り離されていたからこそ、知恵・知識が歴史的に遺産として残されてきたという価値はある。)
たとえばビジネスの世界で言われるOJT(On the Job Training)では、リアルな業務を遂行することで、経験値が向上することが期待されているのですが、この場合にはうまく「座学」との連携をつくることができませんでした。まさに、O/Oは、On the Job Training/OFF the Job Trainingともなっていたわけです。
しかし、終身雇用よりも、即戦力が求められ、人材育成もスピード化が求められたり、安全でミスのない業務遂行が以前よりも強く求められる中で、リアルな業務中に知識を検索し、活用できることが求められています。
その時に、O/Oが超克されると、事態は一変するでしょう。
座学で学ぶ内容が、リアルな業務中に閲覧できたり、アラートを示してくれたり、指示を出してくれたり。業務マニュアルを、実地配属される前に熟読するという準備期間が不要になっていくかもしれません。
 
このようなリアルな業務に基づいた学習の場合、業務マニュアルや教科書というものの「内容」ではなく「目次」と「順序」がなくなっていく可能性があります。eラーニング業界では最近「マイクロラーニング」が流行しているのも、このような流れにフィットしていきやすくなるでしょう。
外食業界では、アルバイトの育成にマイクロラーニングが利用されています。例えば、松屋フーズ様のマイクロラーニングは弊社が手掛けています。
マイクロラーニングのポイントは、
・短時間のコンテンツ
・スマホで受講可能
ということで、通勤・通学時のスキマ時間での学習が可能なところです。今どきのライフスタイルに合致していますね。
マイクロラーニングも、単純に時系列順に並んだ従来の学習動画コンテンツを「細切れ」にしただけでは面白みがありません。その時の状況や場所や目的に応じて、適切なコンテンツがピックアップされたり、出現したりする方が実際的でしょう。
例えば、理科実験。メガネ型デバイスで、フラスコを見ると、そこにAR・MRで今からの実験のプロセスと注意点が示される。
その通りに実験が終われば、一つの単元の学習が終了したという履歴が残されていく。そんな世界観です。
その体験学習をした人だけが、次のステップとしてレポート課題にチャレンジしたりして深くリフレクションを行う、というような設計にしても面白いですね。
梶谷さんが指摘している2の知覚の超越も、熟練者と初学者という軸に落として考えると、熟練者が持つ感覚や着眼点を初学者に提供するという支援もできるようになれば、生産性が向上すると思います。

最新テクノロジの「ハイプ・サイクル」がガートナー社より発表されました!

残暑厳しい折ですが、デジタル・ナレッジではセミナーが目白押し!明日も御茶ノ水ソラシティでのセミナーがあり、EdTechの最新技術の話を聴けることに個人的にもワクワクしている「研究員」岡田です。

◆イベント案内◆

【8月24日】特別イベント『テクノロジで広がる学びの今と未来』

https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/16562/

 

さて、テクノロジは日々進化していますが、技術の開発が常に即座に市場に浸透するとは限りません。

浸透した後から振り返ると、「え?そんなことってあったっけ?」と思うものですが、新しい技術やサービスが市場に登場した時には、様々な反応が生じます。過大な期待もあれば、無関心などもあります。

今は、人工知能関連技術がさまざまなところで話題になっています。一方、2年ほど前はビッグデータが騒がれておりました。今では、少し鎮静化しているように見えます。このように、新しい技術は話題に上がる時にある特徴的なサイクルを描きます。それが「ハイプ・サイクル」です。

ハイプサイクル

 

黎明期→「過度な期待」のピーク期→幻滅期→啓蒙活動期→生産性の安定期

 

というサイクルになります。

今回、ガートナー社が発表したプレスリリースは以下のものです。

https://www.gartner.co.jp/press/pdf/pr20180822-01.pdf

 

ARがやっと幻滅期を乗り越えてくるのでしょうか。

 

さて、人工知能関連技術を見てみましょう。

「会話型AIプラットフォーム」「AI PaaS」が黎明期となっていますね。

問題は、やはりというか、何というか…「ディープ・ラーニング」が「過度な期待」のピークとなっています

これから幻滅期に入っていくのでしょう。

 

ただ、技術は進んでいきながらも、期待や幻滅という表現をされるのは、評価者側の市場の受け止め方なのだと思います。まあ、言い方は悪いですが、勝手に期待して、勝手に幻滅している、ということでしょう。

問題なのは、企業としては、どの時点で投資をするか。

 

このハイプ・サイクルについては、私自身の思うところもあるので、それはまた稿を改めて。

 

人工知能が描いた「絵」に絵心はあるか? ピカソと幼稚園児のちがいから考える

皆さんは、どんな絵が好きですか?

ロシアの画家・エルテが大好きな研究員・岡田です。あの絵(正確にはエッチング?)を見ると、心がざわざわします。

 

さて、今日はそんな話題。人工知能(AI)が絵を描いたり、詩を書いたりすることが話題になりましたよね。

ちょっとそれについて考えてみましょう。

※ここで「詩」とは何かとか、「絵」とは何かのような芸術論を展開したいわけではないことだけご注意ください。

 

次の詩をご覧ください。

「昼休み 校舎の裏の林の中で 委員長が お星さまのバカとつぶやいた」

これ、何か意味深ですよね? 委員長に何があったのでしょうか? 日常にありそうな状況でもあり、ちょっとシュールです。

 

実はこれ、人工知能が書いた・・・のではなく、偶然の産物です。実際に、私が中学校時代にクラス内でゲームでやった時にできた「言葉の組合せ」です。クラス全員にカードを配ります。カードは一人4枚もらいます。そのカードには、1~4の番号がふられています。

1のカードには「いつ?」

2のカードには「どこ?」

3のカードには「誰?」

4のカードには「何をした?」

の答えになる内容を書きます。そして、それらを集めて、グループごとにシャッフルします。そして、改めて1~4の順に並べた一つが、先ほどの詩です。

まあ、これを詩と呼ぶのかどうかは置いておきましょう。しかし、ある一定のルールや配置さえクリアすれば、単なる機械的な組み合わせでも意味ある文章が作れるという例にはなります。

ここには、「発言者の意図」「伝えたい状況」というものはありません。ましてや、何らかの「表現したい衝動」のようなものは存在しません。

 

意図が発信されていなくとも、受信者側・観察者側が「意味を感じ取る」ということでしょう。

これは、平田オリザ・石黒浩の両氏が実現したロボット演劇と似ているのかもしれません。

http://beta.engekisengen.com/stage/interview/robot-android-hirata/

ロボットの動きを見ることで、観劇者はそこに「心」を感じる。そのように演出しています。人間は何らかの条件が揃えば、そこに知性や心を感じ取ることができます。

 

むかし、ドラえもんのアニメで、ピカソの抽象画を見たのび太君が「これ、僕が描いたものだ!」と言い張るという話がありました。自分が幼稚園の頃に描いたそっくりの絵をもってタイムマシンでピカソに会いに行ったら、ピカソがその絵を見てインスピレーションを湧かせて真似をした、というストーリー。

※この話は、岡田がかなり以前に見たものなので、多少記憶違いがあるかもしれません。予めご了承ください。

 

ここで重要なのは、のび太は「単なる絵が下手な少年」であり、ピカソは当時絵描きとして身を立てて「新しい作風にチャレンジしていた画家」ということです。この違いがないと、ポイントがズレます。

ドラえもんの中でのピカソは、すでに写実的な画家としては一定の評価を受けていたものの、新しい作風を模索していました。

その状況下、またそれだけの画家としてのセンスがあった状況で、のび太君の下手くそな絵の中に、『キュビズム』の萌芽を見ます。スネ夫君達には「下手くそ」としか評価されていなかったのび太君の絵に、インスピレーションを湧かせることができたピカソのセンスがそれだけ凄かったということでしょう。(念押ししますが、これは『ドラえもん』の話の再構成です。史実ではありませんので、ご注意ください。ここでのピカソは仮想的な人物です。)

 

その証拠に、オリジナルの絵を描いたのび太君は、なぜピカソが自分の絵に感動したのかよく理解していません。

彼は、おそらくは適当に絵を描いただけです。真剣に描いたとしても、下手な絵を描いただけかもしれません。ところが、見る人によっては、それがキュビズムの萌芽として見える。

 

このストーリーを、人工知能が絵を描いたということと重ねてみると、ポイントが分かるかと思います。

人工知能が自我や、そこまで言わなくても「絵心」を持った、ということではありません。様々な絵画を学習させ、アウトプットさせてみた。既存の作風のアレンジ・組合せでしょう。

それを見て、そこに芸術性を感じるかどうかは、むしろ見る側・感じる側に帰せられるものなのではないでしょうか。

 

ここまで考えていて、思い出したのが、人工知能学会の前会長である山田誠二先生(http://www.ymd.nii.ac.jp/lab/seiji/)のお言葉です。

6月29日に行われた丸ノ内AI倶楽部の基調講演では、非常に示唆に富む発言をされておりました。(https://goo.gl/F5JVEK

この報告の中では触れられていませんが、山田先生はジェームス・W・ヤング『アイデアの作り方』(今井茂雄訳・TBSブリタニカ)を紹介しながら、創造性というものは実は既存のものの組合せであるならば、人工知能の方が人間よりも優れた創造性を発揮できるのではないか、という指摘をされました。もちろん、これは「創造性の定義によるならば」という前提での指摘であって、「そうである」と断じているわけではありません。

しかし、これは熟考すべき課題です。

最初の例のように、ただ並べられた文節の組合せに「意味」を感じることができたり、下手な絵(←下手と表現している時点で自分尺度で評価をしている)に新しい作風の萌芽を見出したりすること自体、創造性とは何かを考えるヒントになるでしょう。

 

ここで結論を出したいわけではないのですが、既存の組合せに対して、意味を感じ、感情を揺さぶられ、好んでその絵を眺めたり音楽を楽しむのは、私たちが人間だからなのではないでしょうか。つまり、つくり手ではなく、受け手の問題なのではないでしょうか。

人工知能が創造性を持てるかどうか。作り手もAIで、受け手もAIであるような、AI社会ができた時、初めてその基準が検証できるような気がします。

シンギュラリティや人工知能による創造性に関わる問題。全般的に人工知能技術による「知性」の獲得の問題。人間が持つアニミズム的な想像力に影響されない、思考力が実は人間側に試されているのかも知れませんね。

 

eラーニング導入の「ホンネ」って何だろう? 展示会・セミナーで確認して欲しいこと7選

皆様、残暑お見舞い申し上げます

本当に残暑厳しい折ですが、何卒ご自愛ください。昨日から夏風邪ひいている研究員・岡田です。

 

このお盆は、皆様、いかがお過ごしでしたか?

私は、初めてこの夏季休暇中に名古屋に行きました!いつも移動で名古屋駅を通過するのですが、降り立ったのは初めて!名古屋城とナゴヤドームに行ってきました。最近、「つば九郎」にハマってしまいまして…でも、妻はつば九郎経由で「ドアラ」に行ってしまいましたので、今回は中日ドラゴンズの応援でした。

IMG_2771

※試合まで時間があったので、立ち寄った名古屋城。いい天気過ぎて、汗だく。帰省中の新幹線の中では爆睡でした。。

 

さて、報告が遅れてしまいましたが、今月は『関西教育ICT展』(https://www.kyouikuict.jp/)にデジタル・ナレッジも出展しておりました。8月2日・3日@インテックス大阪

★IMG_1458

多くの方々にお会いできて、感謝しております。

 

また、岡田と西日本支社の神野がセミナーも実施いたしました。こちらも満員御礼となりました。お聞きいただきました皆様、ありがとうございます。

★IMG_0891 (2)※岡田『実例で学ぶ!「教育×AI」の現在~今日から導入できるAI入門~』

★IMG_1401 (2)※神野『30分でわかる!「eラーニングのはじめ方・進め方」セミナー』

 

さて、ここで私たちがご来場者の皆様に伝えたかったことは、「等身大のeラーニング」ということでした。ちょっと抽象的な言い方かもしれませんので、少し説明します。

展示会というと、アイキャッチのために、様々な文言が飛び交います。もちろん、ブースに来てもらわなければ話は始まらないわけで、来場者の方々が関心を持ちそうな文言で目を引くことは大事なことです。

一方で、心地よい文言と実質が乖離しているという印象を持たれる方もおられるかもしれません。私たちデジタル・ナレッジは、eラーニング専門ソリューションベンダーとして、二人三脚でお客様と「実現したい教育をつくりあげる」ことをミッションとしております。だからこそ、「大変なことは”大変”だ」と伝えなければならないと思っています。つまり、ちゃんとeラーニング導入の”落とし穴”も事前に伝えたうえで、一緒にそれらを回避していく方法を考えたいのです。

今日は、皆さんが今後展示会やセミナーに行かれた時に、まず確認していただきたいポイントをお伝えします。題して、『展示会・セミナーで確認して欲しいこと7選』!!!

 

(1)費用

これは、当たり前のように思っているかもしれませんが、eラーニング導入にはお金が掛かります。しかし、「初期費用」だけしか見ない場合があります。費用の内訳として、以下の事柄をしっかり確認してください。

  • 初期費用(システムや環境設定など)

  • ランニングコスト

  • 運用の「手間」

 

(2)効果

eラーニング導入によって、今まで実現できなかった「効果」があると想定されます。対面で行っていた研修をオンラインにすることでの「コストカット」なのか、eラーニングだからこそ実現できる「学習履歴管理」なのか、など、こだわりどころがあるはずです。これは、それぞれの導入側の立場や視点があると思いますので、気軽に相談される方がよいでしょう。

例えば、コストカットの項目としては、

  • 受講者の「移動費」

  • 受講者の「移動の時間」

  • 受講者が業務現場から抜けることでの「機会損失」など

が考えられます。

 

(3)工程

eラーニング導入を決定したからと言って、即時導入できるわけではありません。ラーニングである限り、「教材(コンテンツ)」の用意であったり、「システム」「デバイス」の準備であったり、受講者への「通知」であったり、時間はかかるものです。この部分をしっかり確認しましょう。というのも、この部分で担当者が対応をしどろもどろにしている場合と、これまでの実績から大体の見積を即座に出してくる場合で、今後の導入のスムーズさがちがいます。

 

(4)似たような実績例

上記の(3)にも関わることですが、実績例を尋ねた場合、「こんな会社さんもありましたよ~」とさりげなく答えてくれる担当者はいろいろ相談にのってくれます。実際に自分がこれまで担当してきた事例を数多く持っているということは、とっても重要なのです。

 

さあ、残り3つは「核心」に迫ります!

(5)社内プレゼンに同席できるか

これ、意外と重要ではありませんか? あなたが「社内のeラーニング導入責任者」だとしましょう。eラーニング導入について、取締役会でプレゼンしなければならないが…うまくプレゼンできるかな… 気が重くなりますよね。

そんな時にも、相談にのってくれそうかどうか、軽く探ってみましょう。状況によるとは思いますが、それくらい親身になれるかどうかが問題です。社内稟議を通すための相談も同様でしょう。

 

(6)社内での運用リソースの確保

eラーニング導入後、常にeラーニングをランニングさせるために必要な社内での人員確保についてです。(1)とも関わりますが、どんなことでも、「導入して終わり」ということにはなりません。メンテナンスや運営というものはついて回ります。

 

(7)ズバリ、eラーニング導入の注意点

本来は、最初に訊いておいてもいいかもしれません。でも、なかなか「ホンネ」というのは言いづらいことでもあります。ちょっと親密になってから、『ところでさ…』と尋ねてみてください。思いもよらない落とし穴をきけて、転ばぬ先の杖になるかもしれません。

 

eラーニングは、ビジネスとして展開するにせよ、社内研修などに利用するにせよ、人の教育に関わるので、担当者同士でじっくり相談できる関係を築いた上で実施したいですよね。

IMG_0787

★IMG_1158 (2)

 

さて、最後に告知です。デジタル・ナレッジ西日本支社は設立10周年を迎えます。

IMG_0694

そこで、10周年記念のイベントを実施します!

 

2018年9月21日(金)14:00~17:00

場所は、グランフロント大阪です。

タイトルが『eラーニング導入企業・学校がホンネを語る!活用のポイントと最新教育テクノロジ』

https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/16502/

 

導入企業・学校様に「ホンネ」を語っていただきます! そういう良好な関係を、今後も皆さんと築いていきたいですね。

グランフロントでお待ちしております!

『ICTと日本語教育』展に行きました!~トレパとSiriとの違いとは?~

関東では台風の影響が心配される中、2018年8月9日(木)に代々木オリンピック記念青少年総合センターで『ICTと日本語教育』展が行われました。

台風が直撃だろうと高をくくり、朝ゆっくり起きたら雨すら降っていなくて慌てて出社した研究員・岡田です。

 

さて出社後、午後は展示会に行ってきました。

 

表題の『ICTと日本語教育』展です。コンテンツパートナー様である「インターカルト日本語学校」(https://www.jlpt.jp/index.html)のブースで、トレパの日本語版『トレパJ』のデモをされるということで、取材です!

また、日本語教育の中でどれくらいICTが取り入れられているのかも興味がありました。

まず、インターカルト日本語学校様のブースへ。

IMG_2511 ※真ん中に『トレパJ』が!

さて、『トレパJ』って何さ?という方もおられると思うので、説明します。

まず、トレパというサービスが英語版として既にデジタル・ナレッジより提供をしております。

どんなものかと言うと、

  1.  AI教材作成のためのエディター
  2.  AIが学習者のためのトレーニングパートナーとなる

英語の先生がWordでプリントを作るように、トレパはエディターですので、トレパに英文を入力していただければリスニング教材・スピーキング教材・ライティング教材が作成できます。そして作成したものを学習者に提示することで、学習者は自分の発音や発話の診断を行えたりします。https://torepa.jp/

今回紹介するのは開発中『トレパJ』(トレパの日本語版)です。

デモがありますので、是非試してみてください。日本語のアウトプット型トレーニングって、日本人でも滑舌を良くするのに役立ちます。

QR_Code1533862217https://goo.gl/i5Z7Hi

このコンテンツは「早口言葉」です。日本人にとっても結構難しいですよね。滑舌を良くするためのトレーニングに持ってこいですよ!

さて、「日本語能力試験」(https://www.jlpt.jp/index.html)というものがあります。日本に留学したり、日本で働くときに基準となる語学試験です。日本語教育の際に一つの到達度の尺度として利用されていますし、この試験対策の参考書やeラーニングもあります。

ところが、試験内容は「読む」「聞く」となっており、いわゆるアウトプット型である「話す」「書く」にはなっていません。ですので、この試験内容では十分に到達している人でも「話す」が上手ではなかったりすることがあります。

 

そ、こ、で、『トレパJ』!!!

単純に言うと、音声認識の技術を使い、自分の発音を日本語テキスト化することで「聞き取りやすい発音」になっているかどうかを診断します。日本語能力試験を受けたりするくらいの学習者であれば、日本文の意味の理解などがある程度はできているという前提で考えています。後は「伝わる」「聞き取りやすい」発音ができるかどうかが重要になってきます。特に、日本での生活・学習・就業という場面では。

このようなWeb上で行うトレーニングツールを、デジタル・ナレッジとインターカルト日本語学校様の共同でサービス化するために開発を進めています。

この告知を、セミナーでインターカルト日本語学校の矢口様がされました。自然に拍手が起こる、明確なメッセージ性がある内容だったと思います。

IMG_2521

セミナーの後のブースでも、来場者だけではなく、同じ出展社の方々も『トレパJ』には関心を持っていただけました。

実際、他社の方々もSiriを使ってアウトプット型トレーニングをしよう!などの提案もあったくらい、発音から始まるアウトプット型トレーニングをどのようにICTの力を借りて実現するかは業界の大きな目標だということが分かりました。

敢えて辛口なことを書かせていただければ、やはり日本語教育の中で、「紙」の教材が圧倒的に多く、アウトプット型トレーニングが十分に学習者に提供されていないのではないか、と思いました。もちろん、これは他の語学教育も同様です。

適宜、復習を促す、などのトレーニングを紙の教材で行うことは受講者にとって忍耐力を強いることになります。なるべく学習者の支援となりつつ、内容面では深い学び(適度な負荷による「覚える」「考える」など)に集中するように、ICTの技術を使うことで実現はしやすくなります。その意味で、このような展示会がますます発展することを願っています。

 

さて、展示会で質問されたことに答えたいと思います。

『トレパJ』って、Siriとは技術が違うんですか?

Siriやスマートスピーカーが「音声認識」という技術を使っているという意味で、トレパが同じジャンルの技術であると皆さん思われます。まあ、普通は「同じ」と答えていいのでしょうが・・・

ただ、「語学教育」ということであれば、「違う」と答えたいところです。

スマートスピーカーの目的は何でしょうか? 例えば、「電気消して」という命令を出した時に、実際に電気が消えること。このように「指示通りに動く」ということであり、動作ができない事柄については「わかりません」と答えれば済みます。

つまり、「指示→動作」という構図の中で、動作を行うためのキーワードを指示から読みとる機能が必要となります。

上記の「電気消して」は「電気を消していただけますか」でも、「電気オフ」でも動きます。キーワード「電気」「消す」があれば指示ができます。もっと簡略化して、電気の「ON/OFF」の二値の切り替えだけが欲しい場合には「電気!」だけで対応させることも可能です。そこには、AIスピーカー側と管理者であるユーザー側で求めるものが同じであれば「指示→動作」は行われるのです。

※と書いていて、ちょっとウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」に似ているなと思った。cf.『哲学探究』の第2節

 

Siriの場合は、Google先生やAIスピーカーを組合わせたような立場にあります。要はiPhoneでできることの一つに「検索」があり、またアプリ(スキル)を立ち上げて何らかの「動作」を行う。検索も「動作」の一種だとするならば、やはり「指示→動作」であり、Siriとのおしゃべりは付随的な働きだと思います。

ここでポイントになるのは、どちらにせよ「指示」をする際のキーワードは予め設定されていて、それ以外には反応しなくてよい、という線引きがあるということです。ですので、音声認識の際には予めキーワードが有限に措定されているので、そのどれかに対応した指示が来たら反応するようになっています。

 

それに対して、トレパやトレパJでの音声認識については、基本的に、発音した音をトレパが『こんな風に聞こえたよ』と表示してくれるというところが微妙に異なります。だから、トレパに認識されるように、丁寧に発音しなければならないんですね。これは「認識の精度が悪い」ということではなくて、トレパがトレーニングツールだからです。

矢口さんのプレゼンでも、『トレパJが”日本人の耳”になります!』という文言があります。そうです、何を発音しても反応してくれるとか、何を言うかを予め決められていてそれ以外であれは反応しないというのでは、トレーニングになりません。

IMG_2550

この辺りの感覚が普及するにもまだ時間が掛かりそうです。

 

また、今月もセミナーで「教育×AI」について話をしますので、ご都合がつけば秋葉原のデジタル・ナレッジまでお越しください。

◇8月22日◇

《初等中等教育》事例から学ぶ「教育×AI」導入セミナー

https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/16514/