オンライン研修は助成金の対象になる?制度の考え方と進め方を整理

記事要約

オンライン研修は、一定の条件を満たせば助成金の対象として検討できる場合があります。ただし、単にオンラインで実施しているだけでは足りません。企業研修として職務に関連していること、事前の計画届が必要になること、受講時間や受講履歴を管理できること、制度ごとの対象要件に合っていることが重要です。特にDX研修やAI研修のように、全社員向けの基礎教育から部門別の実務活用まで広がるテーマでは、オンライン研修と助成金の相性をきちんと整理したうえで導入を進める必要があります。本記事では、助成金対象のオンライン研修の考え方、対象になりやすい条件、導入メリット、注意点、研修会社の選び方までを、法人担当者向けにわかりやすく整理します。

助成金対象のオンライン研修とは

助成金を活用した社員研修の基本

助成金を活用した社員研修とは、企業が従業員に対して実施する職務関連の研修について、国の制度を活用しながら訓練経費や訓練期間中の賃金負担の一部を補助してもらう考え方です。代表的な制度としては、厚生労働省の「人材開発支援助成金」があります。厚生労働省はこの制度について、事業主等が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度と案内しています。

ここで重要なのは、助成金が使えるかどうかは「オンラインか対面か」だけで決まらないことです。企業が実施する研修であること、仕事と結び付いた内容であること、制度が定める訓練形式や時間数、計画届、受講記録などの条件を満たしていることが前提になります。つまり、助成金対象のオンライン研修とは、オンラインであることよりも、制度要件に合う形で設計・運用されている研修のことです。

この点は、企業が誤解しやすい部分でもあります。よくあるのは、「オンライン研修なら全部対象になる」「eラーニングなら助成金が使いやすい」といった理解です。しかし実際には、同じオンライン研修でも、同時双方向型なのか、eラーニングなのか、通信制なのかによって扱いが変わることがあります。また、コースによって賃金助成の有無も異なります。

本記事では、オンライン研修と助成金の関係を整理する独自の視点として、「制度適合」「運用適合」「課題適合」の3つで考える方法を提案します。制度適合とは、助成金のルールに合っているかです。運用適合とは、受講管理や証跡管理ができるかです。課題適合とは、自社の人材育成課題に合っているかです。この3つがそろって初めて、オンライン研修は助成金を活用しながら成果につながる施策になりやすくなります。

オンライン研修が注目されている背景

オンライン研修が注目されている背景には、企業の人材育成ニーズと業務環境の変化があります。以前は集合研修が中心だった企業でも、現在は拠点分散、働き方の多様化、業務の忙しさ、人材不足などを背景に、時間と場所の制約を減らせる学習方法が求められるようになっています。特に全社員向けの基礎教育や、継続的な学び直しを進めたい企業にとって、オンライン研修は非常に導入しやすい方法です。

また、DX研修やAI研修のように、全社的な基礎教育と部門別の実務教育を組み合わせたいテーマでは、オンライン形式との相性がよくなります。共有いただいた市場調査でも、現在の法人市場では「全社員向けの基礎教育」「生成AI活用の実務教育」「学習管理」「助成金対応」を一体で提案できる構造が強いと整理されています。つまり、オンライン研修は単なる配信形式ではなく、学習管理や継続運用と結びついた企業向け施策として見られるようになっています。

さらに、オンライン研修は受講状況を見える化しやすい点も評価されています。受講開始・完了、視聴時間、テスト結果、課題提出などを把握できれば、企業側はどこまで学習が進んでいるかを把握しやすくなります。これは助成金活用とも相性がよく、必要な証跡や受講履歴の管理にもつながります。

ただし、オンライン研修は便利な反面、放置すると「受けっぱなし」で終わりやすいという課題もあります。だからこそ、いま求められているのは、配信するだけのオンライン研修ではなく、記録と運用に耐え、成果につながるオンライン研修です。助成金対象のオンライン研修が注目されるのは、このような背景があるからです。

オンライン研修が助成金対象になる考え方

オンライン研修が助成金対象になる考え方を押さえるうえで、まず重要なのは、厚生労働省の人材開発支援助成金では、OFF-JTの実施方法として「通学制」「同時双方向型の通信訓練」「eラーニング」「通信制」が想定されていることです。人材育成支援コースの詳細版パンフレットでは、人材育成訓練について、職務に関連した知識及び技能を習得させるための10時間以上の訓練であり、実施方法がこれらのいずれかであることが示されています。

つまり、オンライン研修は制度上、最初から排除されているわけではありません。むしろ、同時双方向型の通信訓練やeラーニング、通信制も、助成金の対象として検討できる形式に含まれています。ただし、ここで注意したいのは、「対象になる」ことと「どの助成内容が受けられるか」は別問題だということです。たとえば、人材育成支援コースでは、eラーニングや通信制について、事業外訓練として対象となり得る一方で、賃金助成はつかない整理が示されています。

また、eラーニングを助成金対象として考える場合には、標準学習時間または標準学習期間が設定されていること、LMS等によって訓練の進捗管理ができる機能を有していること、契約期間や料金体系がわかることなどが求められます。つまり、単に動画を配るだけの仕組みでは足りず、受講時間と履歴を管理できる研修であることが重要になります。

さらに、助成金制度はコースごとに考え方が異なります。人材育成支援コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースでは、対象となる訓練の性質や助成内容に違いがあります。たとえば、人への投資促進コースでは定額制訓練、つまりサブスクリプション型の研修サービスも対象メニューの一つとして示されています。したがって、オンライン研修が助成金対象になるかを考えるときは、「オンラインだから対象か」ではなく、「どのコースの考え方と合うか」「どの形式で実施するか」「どの記録を残せるか」で判断する必要があります。

オンライン研修が助成金対象になる主な条件

研修目的と内容が明確であること

オンライン研修が助成金対象として検討されやすくなる第一条件は、研修目的と内容が明確であることです。人材開発支援助成金は、職務に関連した専門的な知識や技能の習得を目的とする訓練を前提にしています。したがって、一般教養や福利厚生に近い内容ではなく、仕事に結び付いた研修であることを説明できる必要があります。

たとえば、DX研修であれば「業務改善やデータ活用に必要なデジタル理解を身につけるため」、AI研修であれば「生成AIを安全かつ実務的に活用するため」、ITスキル研修であれば「業務に必要なシステム活用や情報処理能力を高めるため」といったように、目的と業務の関係が言語化できることが大切です。

ここでありがちな失敗は、研修テーマ名だけで判断してしまうことです。たとえば「AI研修」「DX研修」という名称であっても、内容が職務とどう結び付くかが曖昧であれば、助成金の趣旨と合いにくくなります。逆に、同じテーマでも、どの部署のどの仕事に関係し、何を改善したいのかを説明できれば、制度との整合は取りやすくなります。

オンライン研修は便利なぶん、内容が広く浅くなりやすい傾向もあります。そのため、助成金活用を前提にするなら、まずは「何を学ぶか」よりも「何のために学ぶか」をはっきりさせることが重要です。目的が明確であるほど、対象者、時間、カリキュラム、効果確認も整理しやすくなります。

受講時間や受講履歴を管理できること

第二の条件は、受講時間や受講履歴を管理できることです。オンライン研修では、対面研修のように同じ場所で同じ時間に受講するわけではないため、誰が、いつ、どこまで学んだかを客観的に確認できる仕組みが求められます。厚生労働省の人材育成支援コースのパンフレットでも、eラーニングの場合には、訓練の実施目的、実施内容、契約期間、標準学習時間または標準学習期間に加え、LMS等により訓練等の進捗管理を行える機能を有していることが計画届時の必要書類として示されています。

また、受講要件の考え方としても、通学制や同時双方向型の通信訓練では実訓練時間数の8割以上受講することが要件になる一方、eラーニング等では訓練期間中に訓練を修了することが必要であり、LMSや添削課題により実施状況を確認できない場合は対象外とされる整理が示されています。これは、オンライン研修が対象になり得る一方で、記録管理が不十分だと対象外になり得ることを意味します。

この点は、研修会社選定にも直結します。受講ログ、視聴履歴、テスト、課題提出、修了判定などを記録できる仕組みがあるかどうかは、助成金対応だけでなく、企業の学習管理にも大きく影響します。受講時間や履歴を管理できることは、制度対応と運用定着の両方に必要な条件です。

事前申請や実施計画が必要になること

第三の条件は、事前申請や実施計画が必要になることです。助成金は、研修後に領収書だけ出せばよい仕組みではありません。多くの場合、訓練開始前に職業訓練実施計画届などを提出し、対象者、カリキュラム、時間数、実施方法、料金体系などを事前に整理する必要があります。

人材育成支援コースの詳細版パンフレットでは、計画届の提出期間は訓練開始日の6か月前から1か月前までの間とされており、提出書類として対象労働者一覧、事前確認書、訓練カリキュラム、受講案内等が必要になることが示されています。つまり、助成金活用を考えるなら、研修を決めてすぐ受講を始める、という進め方はしにくくなります。

この事前計画の考え方は、企業にとって面倒に感じられることもあります。しかし見方を変えると、研修を曖昧なまま始めずに済むという利点でもあります。対象者、目的、時間、実施方法を事前に固めることで、受講後の混乱を減らしやすくなります。オンライン研修は始めやすい反面、勢いだけで導入すると失敗しやすいため、事前申請と計画作成はむしろ質を高める仕組みとして捉えるべきです。

企業と受講者の要件を確認する必要があること

第四の条件は、企業と受講者の要件を確認する必要があることです。助成金は、どの企業でも、どの受講者でも一律に使えるわけではありません。雇用保険適用事業所の事業主であること、対象労働者が雇用保険被保険者であること、必要に応じて職業能力開発推進者を選任していること、事業内職業能力開発計画を策定・周知していることなど、制度上の前提条件があります。

人材育成支援コースのパンフレットでは、職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定・周知をしている事業主を対象としており、計画届の提出までにこれらを行っていることが必要とされています。つまり、研修内容だけ整えても、企業側の準備が不足していれば助成金活用は進めにくくなります。

また、受講者についても、雇用形態や加入保険の状況によって整理が必要です。制度ごとに対象範囲が異なることもあるため、申請前に企業と受講者の要件を確認することは欠かせません。オンライン研修は気軽に始めやすい反面、助成金活用ではこの事前確認が極めて重要です。

助成金対象になりやすいオンライン研修の例

DX研修やAI研修

助成金対象になりやすいオンライン研修の代表例として、DX研修やAI研修があります。背景には、経済産業省のデジタルスキル標準の改訂で、DX人材に必要なスキルの中に生成AI活用が明確に組み込まれたことがあります。企業にとっても、DXとAI活用は別テーマではなく、業務改善や人材育成の一体的な課題として扱われるようになっています。

たとえば、全社員向けのDX基礎教育、生成AIの安全な使い方、部門別の業務活用、データ活用の基本といった研修は、業務との関連を説明しやすく、オンラインでも管理しやすいテーマです。共有いただいた市場調査でも、現在の法人市場では「全社員向けのDX基礎教育」「生成AI活用の実務教育」「学習管理」「助成金対応」を一体で提供できる構造が強いと整理されています。

つまり、DX研修やAI研修は、職務との関連性が明確であり、オンラインでの展開もしやすく、助成金活用と相性のよい代表的なテーマだといえます。ただし、単なる総論だけでは弱く、仕事でどう使うかまで含めた実務型の設計が重要です。

ITスキル・デジタル活用研修

ITスキルやデジタル活用研修も、助成金対象として検討されやすいオンライン研修です。たとえば、業務システムの活用、表計算やデータ整理、情報セキュリティ、クラウド活用、デジタルツールの運用などは、多くの企業で職務との関係を説明しやすい領域です。

特に、人への投資促進コースでは、高度デジタル人材訓練や定額制訓練が示されており、デジタル分野の継続学習やサブスクリプション型サービスを含めた設計も検討しやすい余地があります。もちろん、対象になるかどうかは個別判断が前提ですが、デジタル分野の育成が制度上も重要なテーマとして扱われていることは間違いありません。

オンライン形式との相性もよく、LMSによる進捗管理や反復学習にも向いているため、ITスキル・デジタル活用研修は助成金対象として考えやすい代表例です。

階層別研修や職種別研修

オンライン研修で助成金対象になりやすい例として、階層別研修や職種別研修もあります。ただし、ここで重要なのは、研修内容が一般的なマインド教育にとどまらず、職務との関係が説明できることです。たとえば、管理職向けのDX推進研修、営業向けの提案書作成とAI活用、人事向けの業務効率化と情報整理など、職務に関連したスキル向上として設計されているものは対象になりやすくなります。

一方で、抽象的な意識改革だけでは制度との相性が弱くなる可能性があります。階層別・職種別の研修を助成金対象として考える場合は、役職や職種に応じて「何の業務に必要な知識・技能か」を明確にすることが大切です。

コンプライアンス・業務基礎研修

コンプライアンスや業務基礎研修も、内容によっては助成金対象として検討されることがあります。たとえば、情報セキュリティ、個人情報保護、法令遵守、業務手順理解、管理職の基本など、職務遂行上必要な内容であれば、社員研修としての位置づけはしやすくなります。

とくにオンライン研修は、全社員への定期的な展開や受講履歴の管理に向いているため、こうしたテーマとの相性がよいです。ただし、制度上の対象になるかは、やはり内容、時間数、実施方法、事前計画などによって判断されるため、テーマ名だけで決めないことが重要です。

助成金を活用してオンライン研修を導入するメリット

研修費用の負担を抑えやすい

助成金を活用してオンライン研修を導入する最大のメリットは、研修費用の負担を抑えやすいことです。全社員向けの基礎研修や、複数部門へ展開するDX・AI研修は、対象者が広くなる分、経費も大きくなりやすいです。助成金が活用できれば、この負担を一部軽減できるため、導入判断がしやすくなります。

ただし、ここで大切なのは「安く済ませること」ではなく、「本来必要な研修を実施しやすくすること」です。費用負担が軽くなることで、先送りしていた全社員教育や継続的な学習施策にも踏み出しやすくなる点に価値があります。助成金は、研修の質を下げるための制度ではなく、必要な投資を実行しやすくする制度として捉えるべきです。

複数部署や全社員に展開しやすい

オンライン研修は、もともと複数部署や全社員に展開しやすい形式ですが、助成金と組み合わせることでその導入ハードルをさらに下げやすくなります。とくに、全社員向けのDX基礎教育、生成AIの安全利用、管理職向けの運用教育などは、対面だけで実施すると日程調整や運営負担が大きくなります。

オンライン研修なら、拠点が分かれていても同じ内容を届けやすく、受講管理も一元化しやすくなります。そこに助成金活用が加わると、費用面と運用面の両方で導入しやすくなります。大規模な社員研修ほど、このメリットは大きくなります。

学習状況を把握しやすく運用しやすい

助成金対象のオンライン研修では、受講時間や履歴の管理が求められるため、結果として学習状況を把握しやすくなります。これは制度対応だけでなく、企業の人材育成運用にも大きなメリットがあります。どの部署で受講が進んでいるか、どこでつまずいているか、誰に追加フォローが必要かを見える化しやすくなるからです。

とくにLMS型の研修では、視聴履歴、テスト結果、課題提出、修了判定などを管理できるため、オンライン研修の弱点である「受けっぱなし」を防ぎやすくなります。助成金対応と学習管理の相性がよいのは、この点にあります。

継続的な人材育成の計画を立てやすい

助成金を活用してオンライン研修を導入すると、継続的な人材育成計画を立てやすくなるというメリットもあります。事前計画届や受講記録の管理が必要になるため、研修を単発イベントとしてではなく、計画的な施策として捉えやすくなるからです。

これは、共有いただいた市場調査とも整合しています。現在の法人市場では、企業の悩みは「導入」より「定着」と「成果」に移っており、継続学習や学習管理を含む研修への需要が高いと整理されています。助成金対応は一見すると事務負担に見えますが、長期的には人材育成の仕組みを整えるきっかけにもなります。

助成金対象のオンライン研修を導入する流れ

研修目的と対象者を整理する

導入の第一歩は、研修目的と対象者を整理することです。何を解決するための研修なのか、誰に受けてもらうのかを明確にしないままでは、制度選定も研修選定もぶれてしまいます。たとえば、全社員向けの基礎教育なのか、部門別の実務活用なのか、管理職向けのDX推進教育なのかによって、設計は変わります。

この整理がしっかりしているほど、助成金の対象可否も見やすくなります。対象者が曖昧だと、職務関連性も説明しにくくなり、記録管理も難しくなります。オンライン研修を導入する際は、まず誰に、何を、なぜ学ばせるのかを明確にすることが基本です。

制度の要件に合う研修を選定する

次に行うべきなのが、制度の要件に合う研修を選定することです。研修会社を先に決めるのではなく、助成金の考え方と整合する内容か、形式か、管理方法かを確認したうえで選ぶことが重要です。

たとえば、eラーニングであれば標準学習時間・標準学習期間とLMSによる進捗管理が必要になりますし、制度によっては賃金助成がつかない場合もあります。こうした違いを理解せずに選ぶと、後から想定と異なることがわかる可能性があります。

申請前に必要書類とスケジュールを確認する

研修を選んだら、申請前に必要書類とスケジュールを確認します。人材育成支援コースでは、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に計画届を提出する必要があります。対象労働者一覧、事前確認書、カリキュラム、受講案内などの書類も揃える必要があります。

この段階で社内体制も確認しておくとよいでしょう。人事、総務、教育担当、現場責任者が誰を対象にし、どのように受講記録を取り、どの書類を保管するかを共有しておくと、その後の運用が安定します。オンライン研修は導入しやすい反面、助成金対応ではスケジュール管理が非常に重要です。

導入時に押さえたい注意点

受講管理が不十分だと対象外になる場合がある

オンライン研修で最も注意したいのは、受講管理が不十分だと対象外になる場合があることです。とくにeラーニングでは、LMS等で進捗管理を行える機能を有していることが必要書類として示されており、実施状況を確認できない場合は対象外とされる整理があります。

つまり、動画を見せた、URLを配布した、受講したと言っている、というだけでは足りません。客観的に学習履歴を残せる仕組みが必要です。助成金活用を前提にするなら、受講管理の仕組みは最優先で確認すべきです。

制度ごとに対象条件や支給内容が異なる

もうひとつの注意点は、制度ごとに対象条件や支給内容が異なることです。人材育成支援コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースでは、対象となる訓練や助成内容が異なります。さらに、実施方法によって賃金助成の有無も変わる場合があります。

そのため、「オンライン研修だからこの助成金が使える」と一括りにせず、自社の研修がどの制度のどの条件と合うかを個別に見る必要があります。古い情報や二次情報だけで判断せず、必ず現行の厚生労働省資料と管轄労働局の案内を確認することが大切です。

助成金対象のオンライン研修会社を選ぶポイント

助成金活用を前提にした運用実績があるか

研修会社を選ぶ際は、助成金活用を前提にした運用実績があるかをまず確認したいところです。オンライン研修は多くありますが、助成金対応まで見据えて設計されている研修は限られます。カリキュラム、受講記録、LMS管理、必要書類の準備などに慣れている会社のほうが、導入後の負担を減らしやすくなります。

受講管理の仕組みが整っているか

次に重要なのが、受講管理の仕組みです。誰が、いつ、どこまで学んだかを把握できるか、修了条件や進捗管理があるか、必要な履歴を残せるかは、助成金活用でも運用定着でも重要です。LMSや管理者画面の有無、レポート出力のしやすさなどは必ず確認すべきです。

研修内容が自社課題に合っているか

助成金対象になりやすいからといって、自社課題に合わない研修を選ぶのは本末転倒です。DX研修が必要なのか、AI研修が必要なのか、階層別や職種別の研修が必要なのかは企業によって異なります。研修内容が自社の課題や対象者と結び付いているかを見極めることが大切です。

申請時に必要な情報提供や支援が受けられるか

最後に確認したいのが、申請時に必要な情報提供や支援が受けられるかです。申請そのものを丸投げできるわけではありませんが、カリキュラム、受講時間、契約期間、料金体系、LMS機能など、必要な情報を整理して提供してもらえるだけでも、社内負担は大きく変わります。助成金対応のしやすさは、研修会社選定の重要な基準です。

よくある質問

Q1. オンライン研修はすべて助成金対象になりますか。

いいえ、すべてではありません。職務関連性、事前計画、訓練時間、受講記録、実施方法など、制度ごとの要件を満たす必要があります。オンラインであること自体は対象外の理由ではありませんが、それだけで対象になるわけでもありません。

Q2. eラーニングも助成金対象になりますか。

対象になり得ます。ただし、標準学習時間または標準学習期間の設定、LMS等による進捗管理、契約期間や料金体系の明確化などが必要になります。また、コースによっては賃金助成がつかない場合があります。

Q3. 助成金を使うならいつから準備すべきですか。

少なくとも研修開始の1か月以上前には準備を始める必要があります。人材育成支援コースでは、原則として訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に計画届を提出する必要があります。余裕を持って準備することが大切です。

Q4. オンライン研修会社が助成金対応をうたっていれば安心ですか。

参考にはなりますが、それだけで安心はできません。制度との適合は最終的に個別確認が必要です。研修会社がどこまで必要情報を提供できるか、受講管理の仕組みが整っているか、自社の課題に合っているかまで確認するべきです。

Q5. 助成金を活用したオンライン研修で最も大切なことは何ですか。

最も大切なのは、助成金を目的にしないことです。自社に必要な人材育成施策をきちんと設計し、そのうえで制度を活用するという順番が重要です。制度適合、運用適合、課題適合の3つがそろって初めて、オンライン研修は成果につながりやすくなります。

まとめ

オンライン研修は、一定の条件を満たせば助成金の対象として検討できる場合があります。ただし、重要なのは「オンラインであること」そのものではなく、職務関連の研修として設計されていること、受講時間や履歴を管理できること、事前申請や必要書類に対応できること、そして制度ごとの条件を確認していることです。

特にDX研修やAI研修のように、全社員向けの基礎教育から実務活用まで広がるテーマでは、助成金活用とオンライン運用の両方を見据えた設計が重要になります。共有資料が示すように、現在の法人市場で求められているのは、単なる導入ではなく、成果と定着につながる研修です。

本記事で提案した「制度適合」「運用適合」「課題適合」の3つで考えると、助成金対象のオンライン研修を選ぶ判断がしやすくなります。助成金を使うこと自体を目的にするのではなく、自社に必要な研修を、制度に耐える形で設計するという視点を持つことが、失敗しない導入につながります。

参考文献や引用元

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