2007年5月発行
eラーニング戦略研究所は、福島県教育庁と株式会社ベネッセコーポレーションが連携して実施した「地域を担う人材育成のための学習サポート事業」を対象に、遠隔教育におけるコミュニケーション活性化の有効性を調査・分析しました。
メール80件に対し、チャットは19,000件超。圧倒的な「同期」の力
本調査では、いつでも質問できる「電子メール(非同期)」と、ライブ授業中の「チャット(同期)」の活用状況を比較しました。その結果、メールの質問数が80件だったのに対し、ライブ授業中のチャット発言数は19,961件と、驚異的な差を記録しました。このデータは、学習者にとって「今、この瞬間に繋がっている」というリアルタイム性が、コミュニケーションのハードルを劇的に下げることを証明しています。

「こっそりチャット」が引き出す、教室以上の発言量
特筆すべきは、講師と1対1でやり取りできる「こっそりチャット」の有効性です。教室では「間違えるのが恥ずかしい」と挙手できない生徒も、この機能を活用することで積極的に回答し、講師から即座に個別フィードバックを受けることができます。これにより、1人の講師が遠隔地の生徒20名以上に対し、習熟度に応じた「個別学習」を提供することに成功しました。

本報告書でわかること(調査のポイント)
本報告書では、単なるシステム導入に留まらない、学習者のモチベーションを維持するための「戦略的コミュニケーション」の手法をまとめています。
- 「同期」vs「非同期」詳細比較データ
チャット、BBS、クイズ参加率。それぞれの利用頻度から見えたリアルタイムコミュニケーションの優位性 - コミュニケーション進行役(講師)の役割とスキル
「自信がなければこっそりチャットで」の一言がいかに生徒を動かすか。心理的安全性の作り方 - 中山間部における「教育格差」の是正事例
学習塾の少ない地域に、東京のスタジオから「競争と刺激」を届けた福島県6中学校の実践記録 - 教室の授業への応用可能性
1人1台のPC環境を活かし、対面授業でも「こっそりチャット」を導入することで得られる教育効果
※全ページの報告書では、主パソコンと副パソコンを使い分ける具体的な受講環境図や、学年別の詳細な発言数データもご覧いただけます。
調査・プロジェクト概要
| 対象 | 福島県南会津地域 6中学校(378名) |
|---|---|
| 連携機関 | 福島県教育庁、株式会社ベネッセコーポレーション |
| 検証期間 | 2006年4月1日~2007年3月31日 |
| 対象科目 | 数学、英語 |
| 実施形式 | 東京のスタジオからライブ配信+1人1台のPCによるチャット |
