Copilotでできることとは?Word・Excel・PowerPointでの活用例を解説

記事要約

CopilotはWord・Excel・PowerPointごとに得意な作業が異なる「文章・分析・資料作成のアシスタント」であり、適切な指示と人間の確認を組み合わせることで業務時間を大きく削減できる。
Wordのたたき台作成、Excelの集計結果要約、PowerPointの構成案づくりなど、パターン化しやすく負荷の高い作業から使い始めると成果が出やすく、社内で成功パターンを共有・研修化することで活用が定着しやすい。

Copilotでできることの全体像と前提条件

Copilotは「Officeアプリ上で指示に応じて文章・要約・分析・スライド案を作ってくれる対話型アシスタント」であり、人間の仕事を完全に置き換えるツールではなく、面倒な下準備を肩代わりしてくれる存在と考えると役割が理解しやすくなります。
特に「Copilot できること」を知りたい方に押さえてほしいのは、ホワイトカラー業務をいくつかのプロセスに分解して考える視点です。たとえば、多くの仕事は「情報を集める・整理する」「文章にする」「数字を分析する」「資料にまとめる」といったステップに分けられます。Copilotは、このうちパターン化・文章化しやすい部分を高速にこなすことが得意です。
一方で、「方針や責任を決める」「最終的な表現を整える」「数字の妥当性を判断する」といった領域は、人間が必ず行うべき作業です。Copilotは「考えるきっかけ」と「たたき台」を出してくれる存在であり、それをもとに判断・調整するのが人間という役割分担を意識することで、過度な期待や不安を避けながら現実的に活用できます。
利用前提としては、通常はMicrosoft 365の対応プラン(たとえば法人向けのCopilotアドオンなど)や、管理者設定が必要になります。プランや価格、提供範囲は変更される可能性があるため、「自社テナントでCopilotが使えるか」「どのアプリで有効化されているか」は、最新情報を公式サイトや社内IT担当に確認するのがおすすめです。個人利用向けにも順次機能が広がっていますが、本記事では主に「業務でのOfficeアプリ活用」を前提に解説します。

Copilotを活かしやすい作業の特徴と基本フロー

まずは、「どんな仕事ならCopilotと相性がよいか」を整理します。共通するのは、「ある程度ゴールの型が決まっている」「例文や過去資料がある」「文章で説明できる」といった条件を満たす作業です。たとえば会議の議事録要約、アンケート結果の要点整理、報告書の構成案づくり、販売データの傾向説明、提案資料の目次づくりなどが代表例です。
Copilot活用は、どのOfficeアプリでも基本的に「対象データを決める→Copilotを起動する→目的を自然文で伝える→返ってきた結果を見て追加指示を出す→最終チェックと修正を人間が行う」という同じ流れで進みます。
たとえばWordであれば文書全体や一部を選択したうえで、「この議事録をA4一枚で要約して」といった指示を出します。Excelであれば、表データを選び「このデータから月次売上の推移をグラフ化し、3つのポイントを説明して」と依頼します。PowerPointであれば、メモや既存文書を元データとして「この内容をもとに社内向けの報告用スライドを10枚で構成して」などと伝えます。
重要なのは、「最初の指示で完璧を目指さない」ことです。1回目の指示では大まかな方向性や構成案だけ出してもらい、その結果を見て「トーンをもう少しカジュアルに」「対象を営業部向けに限定して」「スライド枚数を減らして要点だけに」などと、対話を重ねながら仕上げていきます。この「ラフ→修正」の使い方を意識すると、Copilotをうまく使いこなしやすくなります。

Word×Copilot:文章作成・要約の下準備を任せる

WordでのCopilot活用は、「文章のたたき台作成」と「既存文書の要約・書き換え」が中心です。特に、白紙から企画書や案内文を考えるのが苦手な方にとっては、大きな助けになります。

Wordでできることと具体的な活用シナリオ

よくあるシナリオとしては、会議の議事録やメモをもとに「要点だけを整理した報告書」を作りたい場面です。Copilotに対しては、例えば次のような指示が考えられます。
・「この議事録を、部長向けのA4一枚レポートに要約してください。背景・結論・決定事項・宿題の4つに分けてください。」
・「以下のメモから、社内向けのお知らせ文のたたき台を作ってください。トーンは丁寧で、対象は全社員です。」
・「この企画書の本文を、営業向けにもう少しカジュアルなトーンに書き換えてください。」
ほかにも、「お客様向けの案内メールの文章案」「社内研修の案内文」「FAQのドラフト」など、フォーマットが何となく想像できる文章は、まずCopilotにひと通り書かせてから、自分の言葉で直していくのが効率的です。誤った事実関係が含まれていないか、社内ルールに合った表現かは、必ず人間側で確認します。

Wordでの指示の出し方とアウトライン→詳細化のコツ

WordでCopilotを使うときは、「いきなり長文を書かせる」のではなく、「まずは骨組み(アウトライン)を作らせる」意識を持つと、結果が扱いやすくなります。具体的には、次のような流れです。
① アウトライン作成を依頼する:
「新サービス『○○』の社内説明資料のアウトラインを作ってください。目的・背景・サービス概要・スケジュール・お願い事項の順で構成してください。」

② 各見出しごとに肉付けを依頼する:
「『サービス概要』の章について、箇条書きで5〜7項目の説明を書いてください。」

③ トーンや長さを調整する:
「本文を全体的に30%短くしてください」「お客様向けに、もう少しやさしい表現にしてください。」
こうした段階的な指示にすることで、「違う方向に長文が出てしまい、修正しづらい」という事態を防げます。また、「何文字程度」「箇条書きで」「対象読者は誰か」などを具体的に伝えるほど、意図に近いアウトプットになりやすくなります。最終的な文責は常に人間側にあるため、固有名詞・数字・日付・約束事などは必ず自分の目で確認することが重要です。

Excel×Copilot:関数なしで集計・分析の方向性をつかむ

ExcelにおけるCopilotの強みは、「関数の細かな知識がなくても、『このデータから何が言えそうか』を自然文で尋ねられること」です。とはいえ、Copilotが出した分析結果を鵜呑みにするのではなく、自分の目で数字と照らし合わせる姿勢が欠かせません。

Excelでできることと具体的な分析・要約の例

たとえば、売上データやアンケート結果が表になっている場合、次のような指示を出せます。
・「この表から、月別の売上推移をグラフにしてください。あわせて、増減の大きい月を3つ挙げて、理由の仮説をコメントで書いてください。」
・「地域別の売上トップ5とボトム5を抽出し、比較表を作ってください。」
・「このアンケート結果から、満足度が低い項目を3つ挙げ、その理由を自由記述欄から要約してください。」
また、「このデータから分かることを3点に要約してください」「前年同月比で伸びている商品カテゴリーを教えてください」など、「分析の観点」そのものを提案させることも可能です。ただし、Copilotは与えられたデータに基づいて回答するため、「そもそもデータ入力が正しいか」「集計範囲の指定が適切か」といった前提条件は人間側で管理する必要があります。

自然文での分析依頼と結果を確認するポイント

ExcelでCopilotを使う際は、「どの範囲のデータを対象にするか」と「何を知りたいか」をセットで伝えることが重要です。例えば、「A1〜G500までの売上データについて、商品別の売上トップ10を算出し、棒グラフにしてください」といった具体的な指定を行います。
Copilotの分析結果は、必ず「元データの集計を自分でもざっくり再現してみる」「表示されたグラフの軸・単位・期間を確認する」「説明文の中の数字と実際の表の数字が整合しているかを見る」といったチェックを行い、鵜呑みにしないことが大切です。
また、「どう分析していいか分からない」という場合には、「このデータから、営業戦略を考えるうえで重要になりそうな観点を3つ提案してください」「売上拡大のために注目すべき指標を教えてください」といった、分析の切り口そのものを相談するのも有効です。そのうえで、「その指標について、具体的な集計方法を教えてください」と続けると、自分で関数を学ぶ足がかりにもなります。

PowerPoint×Copilot:ストーリー構成とスライド案づくり

PowerPointでは、「スライド1枚1枚のデザイン」よりも、「全体のストーリー構成案」を考える場面でCopilotが活躍します。特に、報告資料・提案書・研修資料など、「ある程度パターンが決まっている資料」のたたき台作成に向いています。

PowerPointでできることと資料構成パターン

具体的には、Word文書や箇条書きメモを元にして、「この内容をもとに、10枚程度の社内報告資料のスライド構成案を作ってください」といった指示を出せます。Copilotは「タイトル」「アジェンダ」「背景」「現状分析」「提案内容」「スケジュール」「まとめ」といったスライド候補を並べてくれるため、そこから不要なものを削ったり、章立てを変えたりしながら、自分の目的に合わせて調整できます。
また、「経営層向け」「現場メンバー向け」「顧客向け」など、想定する相手によって求められるストーリーは変わります。「対象は営業部長向けで、結論から先に伝えたいです」「新人研修用なので、丁寧な説明を多めにしたいです」などと伝えることで、構成やスライドの中身も変わってきます。

ストーリーを考えさせる指示例と人間側の修正ポイント

PowerPointでCopilotにストーリー構成を任せる際の指示例としては、次のようなものがあります。
・「以下のテキストをもとに、社内向けDX推進プロジェクトの説明資料を作ってください。全体で15枚以内、最初に目的とメリットを強調し、最後に『次に何をしてほしいか』を明確にしてください。」
・「営業向けの新商品の提案資料の構成案を作ってください。現状の課題→商品の特徴→導入メリット→価格→導入ステップの順でお願いします。」
ここで重要なのは、「スライドの並び方」や「メッセージの強弱」が本当に自分の狙いと合っているかを、人間が必ずチェックすることです。例えば、「この説明は経営層には細かすぎる」「反対に、現場メンバーには背景説明が足りない」といった観点は、Copilotだけでは判断しづらい部分です。
デザイン面についても、「シンプルで読みやすいデザインにしてください」「グラフは見やすい色使いにしてください」などと依頼できますが、「自社テンプレートに合わせる」「ブランドカラーを守る」といった細かなルールは自分たちで整え、Copilotの出力をベースに手作業で合わせていく必要があります。

Officeアプリ別:Copilotに任せやすい作業と確認ポイントの整理

ここまでの内容を踏まえ、Word・Excel・PowerPointごとに「Copilotに任せやすい作業」と「向いていない作業」「指示の例」「確認ポイント」を整理します。表としてまとめるかわりに、要点を箇条書きで比較してみましょう。

Word:文章の骨組みと要約を任せる

任せやすい作業:
議事録要約、案内文・企画書のたたき台、トーン変更、冗長な文章の圧縮

向いていない作業:
法的に厳密な文言作成、社内規程の最終版作成、事実関係の精査が必要なレポートのチェック

指示の例:
「この会議メモを、部長向けにA4一枚で要約してください。背景・結論・今後の対応の3章構成で。」

確認ポイント:
固有名詞・日付・数値の正しさ、社内ルールに合う表現か、読み手にとって分かりやすい構成か

Excel:集計・可視化と傾向の言語化を任せる

任せやすい作業:
範囲指定したデータの集計、グラフ作成、売上やアンケート結果の傾向要約、分析観点の提案

向いていない作業:
会計・税務など専門知識を要する判断、データ入力ミスの自動検出、ビジネス上の意思決定そのもの

指示の例:
「A1〜G500の売上データから、商品別売上トップ10の表と棒グラフを作成し、3つのポイントを文章で説明してください。」

確認ポイント:
集計範囲・条件が意図通りか、グラフの単位や期間の妥当性、説明文中の数字と実際の表の整合性

PowerPoint:構成案・メッセージ整理を任せる

任せやすい作業:
資料のアジェンダ作成、ストーリー構成案、スライドごとの見出し案、ベースとなるテキスト配置

向いていない作業:
自社ブランド準拠の細かなデザイン調整、経営判断を伴うメッセージの決定、プレゼンテーションの最終スクリプト作成

指示の例:
「以下のテキストをもとに、経営会議向けの報告資料の構成案とスライドドラフトを10枚程度で作成してください。結論を最初に、詳細は後半にまとめてください。」

確認ポイント:
ストーリーが対象者に合っているか、メッセージの優先順位が適切か、自社テンプレートやブランドルールに沿っているか
このように、Copilotには「パターン化できる部分」「文章として表現しやすい部分」を任せ、人間は「前提条件の設定」「ゴールの決定」「最終的な表現と判断」の役割を担うことで、Officeアプリごとの強みを最大限に活かせます。

基本的な操作パターンと人間側のチェック・修正プロセス

Copilotを実務で使うときの基本フローは、Officeアプリ共通で次のように整理できます。
① 対象データを決める:
編集中の文書、選択したセル範囲、スライドやメモなど、「どの情報を材料にするか」を明確にする

② Copilotを起動する:
アプリ内のCopilotボタンやサイドパネルを開き、入力欄を表示する

③ 目的を自然文で伝える:
「誰に」「何を」「どのように」伝えるための成果物かを、できるだけ具体的に記述する

④ 返ってきた結果を確認する:
大きな方向性・構成をざっと確認し、「使えそうか」を粗く判断する

⑤ 追加・修正指示を出す:
「もっと短く」「トーンを変えて」「対象者を変えて」など、差分だけを指示する

⑥ 最終チェックと修正を人間が行う:
事実確認・表現の微調整・社内ルールとの整合を、自分の目で確認して仕上げる
この中で特に重要なのが⑤と⑥です。Copilotとのやり取りを数回重ねると、かなり自分のイメージに近いアウトプットに近づきますが、それでも「最後の10〜20%」は人間による微調整が欠かせません。むしろ、「最初の80%をCopilotが、残りを自分が担当する」と割り切ることで、短時間で質の高い成果物を生み出しやすくなります。
また、導入時には「どのレベルまでCopilotに任せてよいか」「最終確認は誰が行うか」といったルールをチーム内で軽く整理しておくと安心です(こうした前提整理は、別途社内ポリシーとして検討するテーマになります)。

個人利用からチーム活用へ:最初の一歩と研修のヒント

ここまで読んで、「Copilot Office 活用のイメージはついたが、実際にはどこから手を付ければよいか分からない」という方もいるかもしれません。まずは個人レベルで、小さなタスクから試すのがおすすめです。
例えば、Wordでは「議事録要約」や「社内連絡文のたたき台」、Excelでは「月次売上の傾向説明」、PowerPointでは「簡単な報告スライドの構成案」を、普段の業務の中で一度Copilotにやらせてみます。その際、「どんな指示を出したらうまくいったか」「どこは自分で直したか」をメモしておくと、自分なりの成功パターンが蓄積されていきます。
チームや組織としてCopilotを普及させたい場合、研修テーマとして扱いやすいのは、「Wordの要約・たたき台作成」や「Excelの集計結果の要約」など、誰もが日常的に行っている作業です。最初から高度な分析や凝ったデザインを教えるよりも、「30分かかっていた文章作成が10分で済んだ」といった、分かりやすい成功体験を共有した方が、現場に浸透しやすくなります。
研修の中では、「Copilotの基本フロー」「良い指示と悪い指示の比較」「よくある誤解(魔法の自動化ツールではないこと)」などを短く扱い、あくまで「日常業務の頼れるアシスタント」として紹介するのがポイントです。より詳細な研修設計や社内ルールづくりは、別途DX推進の枠組みで検討していくとよいでしょう。

よくある質問

Q1:Copilotでできることと、一般的な生成AIチャットとの違いは何ですか?

Copilotは、Word・Excel・PowerPointなどOfficeアプリ上で「いま開いている文書やデータ」を直接材料にできる点が大きな違いです。一般的なチャットAIよりも、業務で使うファイルの要約・編集・分析に特化しており、結果をそのまま文書やスライドとして反映しやすいのが特徴です。

Q2:Copilotを使うとき、どのアプリから試すのが良いでしょうか?

多くの方にとって始めやすいのはWordです。議事録やメモからの要約、社内連絡文のたたき台など、小さく完結するタスクで効果を体感しやすいためです。その後、Excelでの集計結果の要約や、PowerPointでの簡単な報告スライド構成案などに広げていくと、段階的に慣れていけます。

Q3:Copilotの提案した文章や分析結果は、どの程度まで信用してよいですか?

構成案や文章表現のたたき台としては十分に活用できますが、事実関係や数字の妥当性については必ず人間が確認する必要があります。特にExcelでの集計・分析結果は、集計範囲や前提条件が意図通りかを自分でも再チェックし、「最終判断は自分が行う」というスタンスを保つことが重要です。

Q4:Copilotにうまく指示が出せず、思った通りの結果になりません。コツはありますか?

一度に多くを求めず、「誰向け」「何枚(何文字)くらい」「どんな目的か」をまず伝え、出てきた結果を見てから「もう少し短く」「対象を営業向けに」など、差分だけを追加指示するのがコツです。アウトラインだけを先に作らせてから、章ごとに肉付けしていく使い方も、イメージ通りに近づけやすくなります。

Q5:社内でCopilot活用を広げるために、研修では何を扱うと効果的でしょうか?

最初の研修では、高度な機能よりも「Wordでの要約・たたき台作成」「Excelでの集計結果要約」など、誰もが日頃から行っている作業を題材にするのがおすすめです。簡単なデモとあわせて、「基本フロー」「良い指示例」「人間が必ず確認すべきポイント」を共有し、受講者が明日から試せる具体的な一歩を持ち帰れるようにすると定着しやすくなります。

まとめ

CopilotはWord・Excel・PowerPointごとに得意な作業領域が異なる「文章・分析・資料作成のアシスタント」であり、パターン化しやすい業務の下準備を任せることで大きな時間短縮が期待できる。
Wordでは要約やたたき台作成、Excelでは自然文による集計・傾向説明、PowerPointではストーリー構成案づくりを中心に活用し、人間が前提設定と最終チェックを担う役割分担が重要である。
Officeアプリ共通の「対象を決める→目的を自然文で伝える→対話的に修正→人間が仕上げる」という基本フローを押さえ、まずは小さなタスクから試して成功パターンをメモし、チーム内で共有・研修化していくと活用が定着しやすい。

参考文献や引用元

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