ChatGPTでできることとは?ビジネスで使える具体的な業務活用例を紹介

記事要約

ChatGPTは「なんとなく便利なAI」ではなく、文章作成・情報収集・思考整理を日々の業務プロセスに組み込むことで大きな効果を発揮する
自分の職種と1日の業務フローにひもづけてユースケースとプロンプトを設計し、ルール・研修とセットで広げることで組織全体の生産性向上につながる

ChatGPTでできることを一言でいうと?検索や従来ツールとの違い

ChatGPTでできることをビジネス目線で整理すると、「会話で指示できるマルチな“下書き担当”をデスクに一人増やすイメージ」です。
人がキーボードで細かく操作する従来ツールと違い、ChatGPTは「日本語で相談しながら」文章作成・情報整理・アイデア出しを進められます。検索エンジンは情報の場所を教えてくれますが、ChatGPTは「集める・要約する・形にする」まで一気に手伝える点が大きな違いです。
特にビジネスでは次の3領域で力を発揮します。①文章作成の効率化、②情報収集のサポート、③思考整理と発想支援の3つを、日々の業務プロセスにどう組み込むかが「ChatGPT できること」を最大化する鍵です。

文章作成効率化:メールから提案書まで「ゼロから書かない」仕事術

まず最も効果がわかりやすいのが「文章作成効率化」です。メール、議事録、提案書、社内通知など、白い画面を前に手が止まる場面をChatGPTに肩代わりさせるイメージです。ここでは代表的な業務ごとに、使い方とプロンプト例を紹介します。

ビジネスメール作成:骨子だけ渡して下書きを作ってもらう

メールは「目的・相手・要点」だけ決めてChatGPTに下書きを依頼すると、作成時間を大きく短縮できます。特に初回の依頼メールやお詫びメールなど、言い回しに迷う場面で有効です。
プロンプト例:
・目的と条件をまとめて伝える
「新規の取引先への初回挨拶メールの文面案を作ってください。
条件:
・相手は中堅メーカーの営業部長
・当社はシステム開発会社
・面談日程調整が目的
・丁寧だが堅すぎないトーン
・300文字程度」
生成結果をそのまま送るのではなく、「社内の言い回しに合わせる」「固有名詞を正しく入れる」など最終チェックだけ人が行うことで、品質とスピードを両立できます。

議事録・要約:メモを渡して「整理と表現」を任せる

会議後に議事録を書くのが負担な場合、メモや録音の文字起こしをもとにChatGPTへ「要約・構造化」を依頼します。重要なのは、最初から完璧な議事録を求めるのではなく、「たたき台」を素早く出してもらうことです。
プロンプト例:
「以下は営業会議のメモです。
・誰が発言したかは気にしない
・決定事項、宿題、次回までのToDoを分けて整理
・社内共有用に、箇条書き中心ですっきりまとめてください。
(ここにメモを貼り付け)」
これにより、「どこが決まっていて、何が宿題か」が一目でわかる状態になり、参加者の認識ズレ防止にもつながります。

提案書・レポート:構成案→各章のたたき台→整える、の三段階で使う

提案書やレポートは、いきなり全文を書かせるよりも、「構成づくり」「各章のラフ」「表現のブラッシュアップ」と段階を分けて使うと品質が安定します。
構成づくりのプロンプト例:
「中小企業向けの『営業DX支援サービス』を紹介する提案書の構成案を考えてください。
・対象:従業員100名規模の製造業の経営層
・目的:初回提案で概略を理解してもらうこと
・スライド15枚前後を想定」
その構成案が出たら、「第3章“現状の課題整理”のスライド原稿のたたき台を作ってください。見出し・本文・図のイメージを含めて」といった形で、章ごとに依頼します。最後は自分の言葉に直し、データや事例を差し替えて仕上げれば、ゼロから作るより大幅に時間短縮できます。

社内通知・規程文書:トーン指定と対象指定がコツ

人事・総務などで多いのが、社内通知・マニュアル・規程の文書化です。ここでは「トーン」と「対象(誰向けか)」を明確に指定すると、現場に伝わりやすい文章になります。
プロンプト例:
「在宅勤務ルールの一部変更について、社内向けの案内文を作ってください。
条件:
・対象:全従業員(新入社員にも伝わるレベル)
・トーン:フラットで落ち着いたトーン
・変更点:在宅勤務の上限日数を月5日→10日に拡大
・理由も簡潔に説明」
文章作成での基本方針は「ChatGPTにゼロから考えさせるのではなく、自分は意図と条件をはっきり伝え、“9割仕上がった下書き”を作ってもらう」というスタイルです。

情報収集サポート:調査の「入口づくり」と「論点整理」に使う

次によく使われるのが「情報収集サポート」です。ここで大切なのは、「ChatGPTは検索エンジンや専門家の完全な代わりではない」と理解したうえで、調査のスタートや整理役として使うことです。

調査のたたき台作成:まず「全体像」と「論点リスト」を出してもらう

新しいテーマを調べるとき、いきなり細かい情報を集めるよりも、「どんな観点で見ればよいか」を知ることが重要です。ChatGPTにはこの「論点リストアップ」を任せると効果的です。
プロンプト例:
「製造業の中堅企業における『生成AIの業務活用』について調べたいです。
・経営層向けの説明資料を作る前提で、
・どんな観点で情報を集めるべきか、
・主要な論点を10個程度、簡単な説明付きでリストアップしてください。」
ここで出てきた論点ごとに、必要に応じて検索エンジンや社内資料で裏を取りつつ、ChatGPTにも「この3番の論点をもう少し深掘りしてください」と対話を続けていく使い方が有効です。

質問の深掘り:一度で完璧な答えを求めず、会話で精度を上げる

ChatGPTで情報を集めるときのポイントは、「一発で正解を取りに行かない」ことです。最初はざっくり聞き、その回答を見ながら「ここをもう少し詳しく」「この条件の場合は?」と、質問を深掘りしていくイメージです。
対話の進め方例:
1回目:「中小企業の営業部で、生成AIを使って業務効率化できそうな業務の例を5つ教えてください。」
2回目:「ありがとうございます。挙げてくれた5つのうち、『提案書作成』について、具体的な手順案をステップごとに教えてください。」
3回目:「この手順案を、ITリテラシーが高くない営業担当にもわかるように、研修テキスト向けの文章に書き直してください。」
このように「大枠→詳細→用途に合わせて整形」と対話を重ねると、現場でそのまま使いやすいアウトプットに近づきます。

<strong情報収集での注意点:正確性と機密情報の扱い

情報収集で最も重要なのは、「ChatGPTの回答は“それらしく見えるたたき台”であり、事実確認や出典のチェックは必ず人が行う」という前提です。
特に以下の点には注意が必要です。
・統計データや法令、最新のニュースなど、時点や正確性が重要な情報は必ず一次情報源で確認する
・専門的な判断(法務・医療・会計など)が絡む内容は、あくまで理解補助とし、最終判断は専門家に委ねる
・社外提供が前提の資料は、「出典:」「参考:」を明示しつつ、自分でも出典を検索して裏取りする
・社外のChatGPTには、顧客名、具体的な金額、個人情報、機密情報などを入力しない。
・社内のChatGPTを利用する場合も、自社の利用規程に従い、入力可能な情報の範囲を確認する
※会社が契約・管理していない個人向けのChatGPTを「社外のChatGPT」、会社が法人契約し、管理設定や利用ルールを適用している環境を「社内のChatGPT」とします
これらは「やってはいけない使い方」を避ける最低限のルールです。社内導入時にはこのあたりを簡潔なガイドラインとしてまとめ、共有しておくと安心です。

思考整理と発想支援:考えるプロセスそのものを支援してもらう

「ChatGPT できること」というと文章生成ばかり注目されがちですが、実は「思考整理」と「アイデア出し」の相性も非常によい領域です。自分の頭の中を言語化して渡し、それを整理・構造化・補完してもらうイメージで使います。

ブレインストーミング:アイデアの種を大量に出してもらう

新しい企画を考えるとき、「とにかく方向性の違うアイデアがたくさん欲しい」という場面では、ChatGPTに条件を絞ってアイデア出しを依頼します。
プロンプト例:
「営業担当向けの『ChatGPTビジネス活用』研修の企画案をブレインストーミングしたいです。
・対象:法人営業担当(ITに詳しくない人も多い)
・時間:90分
・ゴール:自分の商談準備でChatGPTを使えるイメージが持てること
この条件で、研修のコンセプト案を10個、箇条書きで提案してください。」
出てきたアイデアをそのまま採用するのではなく、「これは自社に合う」「これは難しそう」と人が評価し、良い部分だけを組み合わせていくのがポイントです。

構成案・ロジックチェック:頭の中のメモを「論理的な骨組み」に変える

報告書や企画書を書く前に、「言いたいことの順番がこれでよいか」「抜けている論点はないか」を確認したい場面でもChatGPTが役立ちます。
プロンプト例:
「以下は、社内向けに『ChatGPT導入プロジェクトの提案』を行う際のメモです。
・論点の順番や、抜け漏れがないかをチェックし、
・より説得力のある構成案に整理してください。
(ここに自分のメモを貼り付け)」
さらに、「この構成案に沿って、各セクションで必ず触れるべきポイントを箇条書きしてください」と依頼すれば、書き始める前に「地図」を作ることができます。書く作業がぐっと楽になり、論点のズレや抜けも減らせます。

対話で思考を深める:擬似コーチとして問いを投げてもらう

迷っているテーマについて考えを整理したいとき、ChatGPTを「質問してくれる相手」として設定するのも有効です。
プロンプト例:
「あなたはビジネスコーチとして振る舞ってください。
テーマは『自社での生成AI活用をどこから始めるか』です。
・私に順番に質問をしながら、
・最初の一歩として取り組むべきプロジェクトを一緒に整理してください。」
このように指示すると、ChatGPT側から「現状の課題は何ですか?」「関係者は誰ですか?」などの質問が返ってきます。それに答えていく過程で、自分の考えが整理され、方向性が見えてくるという使い方です。

職種別ユースケース:営業・事務・企画・管理職での使い方

ここまでの3領域(文章作成、情報収集、思考整理)を、具体的な職種の業務にどう落とし込むかを整理します。「非エンジニア ChatGPT 活用」を意識し、あえて一般的なビジネス職種を中心に見ていきます。

営業職:商談準備とフォローを自動化の一歩手前まで

営業職では、下記のような場面でChatGPTが使えます。
商談前:
顧客業界のトレンド整理、想定される課題の洗い出し、ヒアリング項目リストの作成

商談後:
議事録の整理、フォローメールのドラフト、提案書の骨子作成

資料づくり:
自社サービスの説明文を、相手業界向けに書き換える、比較表の文章部分のたたき台作成
たとえば、「製造業の生産管理部門向けに、当社のSaaSを説明するメール文案を作ってください。ポイントは〜」といった具合に、相手の業界・立場を指定して文章案を出してもらうと、汎用的な説明から一歩踏み込んだ内容にできます。

事務・総務職:定型文書と問い合わせ対応の効率化

事務・総務では、社内各所からの問い合わせ対応や、定型的な文書の作成・更新が多く発生します。ChatGPTは以下のようなタスクで役立ちます。
・社内マニュアルのドラフト作成、改訂案の文面づくり
・よくある問い合わせへの回答テンプレートの作成(FAQの原案)
・エクセルやシステム操作手順の説明文作成(スクリーンショットに合わせた文面作り)
たとえば、「経費精算システムの新機能について、よくある質問と想定回答を10個作ってください。対象は新入社員で、専門用語はできるだけ避けてください。」と依頼すると、FAQのたたき台を一気に作ることができます。

企画・マーケティング職:調査設計とコンテンツ草案づくり

企画・マーケティング職はもともと情報量が多く、アイデア出し・構成案づくりとも相性が良い職種です。
・マーケット調査の論点整理、調査企画書の構成案作成
・キャンペーンアイデアのブレスト、ターゲット別メッセージ案の生成
・オウンドメディア記事やLP原稿の骨子作成、見出し候補出し
「20代向けと40代向けで、同じサービスを紹介するキャッチコピー案をそれぞれ10個ずつ出してください」のように、ターゲットを変えて条件を出すと、比較しながらメッセージを検討できます。

管理職・マネージャー:方針文書と1on1の準備

管理職は文章量こそ多くないものの、「言葉の重さ」が大きい立場です。ChatGPTは以下のような場面で活用できます。
・部署方針やプロジェクトキックオフのメッセージ文案の作成
・部下との1on1の議題整理や質問リスト作成
・上層部へのレポート・起案書の構成チェックと要約
たとえば、「チームの残業時間削減に取り組むにあたり、メンバーに伝えるメッセージ案を作ってください。責めるトーンではなく、協力をお願いするニュアンスで」といった依頼は、感情的な摩擦を減らしつつ、伝えるべきことを整理するのに役立ちます。

1日の業務フローのどこに組み込むか:具体的な使い方の設計手順

ここまでのユースケースを、自分の1日の仕事にどう当てはめるかを考える手順を紹介します。ポイントは「タスク単位」ではなく「業務フロー単位」でChatGPTをどこに挟み込むかを設計することです。

ステップ1:自分の1日・1週間の主要タスクを書き出す

まずは紙やメモアプリで、1日〜1週間の業務をざっくり洗い出します。「商談準備」「メール返信」「会議」「資料作成」「レポート提出」など、大きめの単位で構いません。そのうえで、「時間がかかっている」「気が重い」「いつも後回しにしてしまう」タスクに印をつけます。

ステップ2:各タスクを「書く・調べる・考える」に分解する

印をつけたタスクを、さらに「書く(文章作成)」「調べる(情報収集)」「考える(思考整理)」に分けます。ひとつのタスクの中に3つが混ざっていることも多いので、「このタスクの中で一番負荷が高いのはどこか?」という視点で分解します。
例:「商談準備」
・調べる:顧客企業の情報、業界トレンド、競合サービス
・考える:提案の方針、ヒアリングすべきポイント
・書く:アジェンダメール、提案資料の骨子 など

ステップ3:「開始10分だけChatGPTと一緒にやる」ポイントを決める

分解した要素のうち、「最初の10分が重い部分」にChatGPTを組み込みます。
調べる:
最初に論点リストと調査のたたき台を作ってもらう

考える:
構成案や論点の順番を一緒に整理してもらう

書く:
メールや資料の下書きの第1稿を出してもらう
「このタスクを始める前に、5分だけChatGPTに話しかける」と決めておくと、習慣として定着しやすくなります。最初からすべての業務で使おうとせず、「一日のうち2〜3ポイント」から始めるのがおすすめです。

導入時の注意点と、研修との連携の考え方(補助的なポイント)

個人として使い始めるだけでなく、組織として「ChatGPT ビジネス活用」を進める際には、最低限のルールと研修の枠組みを用意すると安心です。ここでは補助的に、導入時の注意点と研修との連携観点を簡潔に整理します。

導入時の注意点:丸投げ依存と情報漏えいを避ける

組織導入の初期につまずきやすいのが、「AIに聞けば何でもわかる」という誤解と、「うっかり機密情報を入力してしまう」リスクです。前者は「ChatGPTの役割はあくまで“下書きと整理の補助”であり、判断と最終責任は人が負う」と繰り返し伝えることが重要です。後者については、顧客名・個人情報・具体的な金額・契約内容などを入力禁止とするガイドラインを、シンプルな社内文書として共有しておくとよいでしょう。

研修との連携:DX・AI研修の中で「自分の業務フローに落とす」ワークを入れる

ChatGPT活用をDX研修やAI研修と連動させる際は、「機能解説」に終始せず、現場の業務フローに紐づけることが定着の鍵です。たとえば、研修の中で「各自の1日の業務を書き出し、どこにChatGPTを挟み込むかを考えるワーク」を入れると、その日から実践しやすくなります。また、研修後に簡単な社内勉強会やチャットチャンネルで「使ってみたユースケース共有の場」を設けると、職種別にノウハウが広がりやすくなります(詳細な研修設計は別記事で扱う想定とします)。

よくある質問

Q1:ChatGPTでできることと、検索エンジンでできることの一番大きな違いは何ですか?

検索は「情報が載っている場所」を探すツールで、ChatGPTは「集めて、整理して、文章や構成にしてくれる相手」です。特に、ビジネス文書の下書き作成や、調査の論点整理、思考の構造化のように「形にする」作業を会話で進められる点が大きな違いです。

Q2:仕事で使うとき、どの業務からChatGPT活用を始めるのがよいでしょうか?

まずは「時間がかかるのに付加価値が出にくい文章作成」から始めるのがおすすめです。具体的には、長文メール、議事録、報告書の要約、社内通知文などです。いきなり重要な提案書の全文を任せるのではなく、「たたき台だけ作ってもらう」範囲で試すと安心して活用できます。

Q3:情報収集で使うとき、どこまでChatGPTを信用してよいですか?

あくまで「論点整理とたたき台づくり」までを任せるのが基本です。統計や法令、最新ニュースなどは、必ず公式サイトや一次情報源で裏取りしてください。ChatGPTの回答は、調査の出発点として活用し、「そのまま社外資料には使わない」と決めておくとトラブルを防げます。

Q4:非エンジニアの自分でも、ChatGPTを業務で使いこなせますか?

はい、むしろ非エンジニアこそ恩恵が大きいです。プログラミング知識は不要で、「誰に向けて」「何のために」「どんなトーンで」書きたいかを日本語で伝えればよいからです。まずは普段使っているメールや議事録を題材に、「下書きを作ってもらう」ところから始めるとよいでしょう。

Q5:社内でChatGPTのビジネス活用を広げるには、何から手をつければよいですか?

最初に「入力してはいけない情報」などの簡単な利用ルールを定め、そのうえで小さな勉強会を開きます。勉強会では機能紹介より、「各自の1日の業務フローを書き出し、どこにChatGPTを挟むか考えるワーク」を中心にすると定着しやすいです。その後は、社内チャットなどでユースケース共有の場をつくると、自然に活用が広がります。

まとめ

ChatGPTは文章作成・情報収集・思考整理の3領域で「下書きと整理」を任せることで真価を発揮し、ゼロからすべてを作らせるものではない
営業・事務・企画・管理職など職種別に、自分の1日の業務フローを分解し「最初の10分を一緒にやるタスク」を決めると、具体的なビジネス活用が始めやすい
組織で活用を広げるには、情報漏えい防止など最低限のルールと、業務フローに落とし込むワークを含んだ研修をセットで行うことが効果的である

参考文献や引用元

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