株式会社日本能率協会マネジメントセンター様が提供する法人向け教育サービス『eラーニングライブラリ®』。システムリプレイスとして弊社のLMS『KnowledgeDeliver』を採用いただき、ユーザビリティや機能性を大きく改善してきました(※)。そしてこの度、新たに「生成AIによる自動フィードバック機能」を搭載、受講者の自発的な学びを促進する取り組みが始まっています。進化を続けるサービスの現在地と、生成AI活用の最前線を取材しました。

ラーニングデベロップメント本部 オペレーション部
プラットフォーム開発センター長 本間秀一様
お客様のニーズ
- 顧客が目指す「社員の自発的な学び」をシステム上で支援したい
- 導入企業数4500社の大規模サービスの価値をさらに高めたい
取り組みの成果
- 受講者のアンケート内容に対し、生成AIがポジティブなコメントを自動的にフィードバックする機能を搭載
- 受講者のモチベーションを向上させ、「受け身」から「自発的」な学びを促進する仕組みを実現
- システムの機能改善やAPI連携で運用の効率化を実現。社内教育基盤として活用する企業が増加
- AIやデータ活用領域での取り組みを深化させ、顧客にとって唯一無二の“教育プラットフォーム”への進化を目指す
システムリプレイス後も進化を続ける『eラーニングライブラリ®』 とその成果
『eラーニングライブラリ®』とはどのようなサービスですか。
本間様:1年間定額制の法人向けeラーニングサービスです。「マネジメント」「技術・技能」「健康経営」「DX」の4つのライブラリ、全490コース(2025年6月現在 開発中コース含む)のラインナップで、全社員教育や階層別教育、個人学習まで多様なご利用が可能です。2025年6月現在、導入企業数4500社、累計受講者数400万人にご利用いただいております。
前回の取材時(導入企業数3900社、累計受講者323万人)に比べてさらに規模が拡大していますね。とくに人気のコースはありますか?
本間様:昨年追加した「DXライブラリ」がとくに好評です。DXの基本知識から実務で使える実践的なスキルまで、幅広く学習できるコースを取り揃えています。開講当初、わずか3週間で利用登録者数が1万人を超えるなど、DXへの需要・関心の高さを改めて実感しているところです。
DXライブラリは、経済産業省が定める「DXリテラシー標準」に準拠したコンテンツですが、弊社では同様に「DXリテラシー標準」に準拠した「DX基礎能力試験」も提供しており、この結果に基づいてDXライブラリを活用されるお客様もいらっしゃいます。

アセスメントに基づいた教育を提供できるのは企業にとって魅力的ですね。
本間様:自社人材のDXスキルや課題を把握した上で最適なコースを選ぶことができますし、企業のご担当者様にも説得力を持って社内への受講推奨をいただいています。

一方、システム面ではどのような進化がありましたか?
本間様:デザインや操作性、機能など様々な改善を行ってきました。中でも、お客様が社内の教育資料を『eラーニングライブラリ®』に登録・管理できるようになったことで、社内の教育基盤として活用いただけるケースが増えています。
eラーニングの枠を超え、多くの顧客の“社内教育基盤”に進化しつつあるというわけですね。
本間様:はい、各社オリジナルの教育コンテンツをLMSに載せ、その他のコンテンツと同じように受講履歴確認や一元管理ができるため、それぞれの企業ニーズに合った教育環境を構築できます。それにより顧客のロイヤリティ向上や、弊社にとっての継続利用にも寄与しています。また、お客様より『eラーニングライブラリ®』を社内の様々なシステムに連携したいというご要望が増えたことを受け、API連携機能を強化しました。
どのような成果を生み出していますか?
本間様:これまで手動で行っていたデータ連携が自動化でき、お客様の運用負荷が大幅に軽減されました。また、シングルサインオンによるログイン一元化により、他システムからシームレスに『eラーニングライブラリ®』にアクセスできるなど、受講者の利便性向上も実現しています。
生成AIを活用した新たな取り組みとは
ここからは、生成AIを活用した新たな取り組みについてお伺いしたいと思います。今回搭載されたのはどのような仕組みでしょうか?
本間様:受講後のアンケート内容に対して、生成AIが自動的にフィードバックを提供する仕組みです。受講終了アンケートには選択式回答と自由記述回答がありますが、今回、受講者が自由記述欄に回答された内容に対して、モチベーションを高めるようなポジティブなコメントをAIが自動的にフィードバックできないかとデジタル・ナレッジさんにご相談し、実現していただきました。
開発の背景にはどういった思いがあったのでしょうか。
本間様:お客様の声をお聞きする中で、「社員がより自発的に学ぶにはどうしたらいいか」という課題をお持ちの企業が多いと感じています。eラーニング以外での動機付けも必要ですが、『eラーニングライブラリ®』内でAIを活用することで、受講者のモチベーションを向上させて能動的に学ぶ姿勢を引き出し、組織全体の成長をサポートする一助になればという思いで開発を進めました。

今後、生成AI活用でどういったことを実現していきたいですか?
本間様:受講者の学習意欲を高め、「受け身で学ぶ」から「自発的に学ぶ」への変革を目指しています。同時に、生成AIを活用してお客様の運用負荷をさらに軽減させることができればと考えています。例えば、社内スキルマップを反映させると、受講者1人ひとりに最適なコースの割り当てがシステム上で自動完結できれば便利ですね。
スキルの管理や活用という意味ではデジタルバッジとの連携もお考えでしょうか?
本間様:学びの成果を具体的な形で評価・活用できるデジタルバッジは業界でも注目されています。実際に、『eラーニングライブラリ®』の受講履歴を定期的に社内のポータルサイトに公開し、頑張っている社員を称える取り組みをされている企業もあります。今後はデジタルバッジとの連携も視野に入れ、より効果的な仕組みの実現を目指します。
eラーニングサービスから教育プラットフォームへの進化を目指して
そのほかに進めている計画はありますか?
本間様:一人ひとりに最適化された学びを提供する「個別最適化」の促進です。受講後におすすめコースを表示するレコメンド機能は以前から搭載していますが、より精度を高めるためのチューニングを進めています。今後は社内の通信教育サービスのIDとも一本化し、ワンデータとして集約したデータを分析・活用することで、さらにレコメンドの精度を向上させていく予定です。弊社のコーポレートメッセージである「Enjoy Your Growth!」の「一人ひとりの多様な成長に寄り添う」を実現すべく、AIやデータ活用領域の取り組みを深化させていければと思います。
『eラーニングライブラリ®』のサービス拡大は、企業や社会のどのような課題解決を目指せそうでしょうか。
本間様:『eラーニングライブラリ®』は大企業から中小企業まで多様なお客様に幅広くご利用いただいており、DX推進や教育リソース不足といった多くの組織が抱える課題にアプローチしています。また、健康経営やSDGsといった社会的に重要なテーマも多数展開し、現代の課題に取り組む企業のサポートを強化しています。お客様からは、視覚障がいの方にも教育を提供したいというニーズを伺っておりますので、より多様な受講者に学んでいただけるUIやナビゲーションの開発にも取り組んでいきたいと考えています。
ありがとうございます。最後に今後の取り組みの方向性、抱負についてお聞かせください。
本間様:法人向け教育サービス市場はコロナ禍を経て力強く成長を続けていますが、新規参入も活発で、競合サービスとの差別化が求められています。この点については、弊社が誇るコンテンツ品質をさらに磨き上げる必要があります。『eラーニングライブラリ®』のコンテンツは全て専門家監修のもと、シナリオ、アニメーション、ナレーションに至るまで、徹底的に「わかりやすさ」と「伝わりやすさ」を追求してきました。加えて、今回の生成AIによるフィードバック自動化など、様々な顧客ニーズに応えるシステムの機能強化も強みです。
これからもコンテンツとシステムの両輪で価値を高め、単なるeラーニングに留まらない、お客様にとって唯一無二の「教育プラットフォーム」を目指してまいります。
JMAM様「eラーニングライブラリ®」の利用の広がりは、持続的な学びの重要性が高まっていることが背景にあるように感じます。今回、生成AIを活用したフィードバックの導入で「受動」から「能動」へ、また「個別最適化」により学習スタイルや意識が変わっていくことで、さらなる学習効果の高まりが期待できます。
「一人ひとりの多様な成長に寄り添う」というJMAM様の企業理念のように、我々も教育とデジタルを通して、お客様の発展を隣で支えていきたいと考えております。
《株式会社デジタル・ナレッジ ビジネスカスタマーサクセス事業部 事業部長 枝村良太》
ご利用いただいた製品・サービス
【オプション】
AMSオプション/多言語オプション/カスタマイズソリューション(生成AI活用含む)
お客様のサイト
お客様情報
名称 | 株式会社日本能率協会マネジメントセンター【JMA Management Center Inc.】 【略称:JMAM(ジェイマム)】 |
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設立 | 1991年8月8日(営業開始日:1991年10月1日) |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー |