製造業の技術教育におけるeラーニング利用に関する意識調査報告書


2011年12月発行


1.調査概要

eラーニング戦略研究所は、 eラーニングを利用している製造業の経営者・役員および従業員計49名を対象に、技術教育におけるeラーニング利用の実態についてアンケート調査を実施しました。(有効回答数49)

その結果、製造業において就業時間内でのeラーニングによる自学習が定着しつつあることが明らかとなりました。媒体としてはPCが主流ですが、タブレット端末の利用も2割近くあり、PCを操作しづらい製造現場において、会社が用意したタブレット端末を利用して学習するという傾向が出てきているものと考えられます。今後はタブレット端末によるeラーニング利用や、現在はまだ少数派の携帯電話によるeラーニング利用がスマートフォンに移行し、さらに拡大していくことが予想されます。また、技術教育分野におけるeラーニングのメリットについて、7割以上が『映像などを取り入れたわかりやすい教育』と回答、映像教材の特性を十分に生かしたeラーニングで、より高度な技術教育を実施したいといった製造業関係者の期待が感じられる結果となりました。

一方で、アンケート結果からは、学習効果やコンテンツ作成などに関するさまざまな課題も明らかとなっています。とくに、製造業ならではの独自技術の教材化が、企業にとって大きな負担になっている現状が浮き彫りとなりました。今後は、会社独自の映像教材を簡単に作成可能な新しいソリューションや学習者の意欲をより高める教材の開発・運用サポートなどにより、専門技術教育のさらなる充実が図れるものと考えられます。


設問6 技術教育分野におけるeラーニングのメリットは?


設問7 技術教育分野におけるeラーニングの課題は?


2.回答者属性

アンケート調査概要

調査期間 2011年10月4日(火)~10月7日(金)
調査方法 Webアンケート方式
調査対象 eラーニングを利用している製造業の経営者・役員および従業員 計49名
男女内訳 男性(91.8%)、女性(8.2%)
年代別内訳 25~29歳(8.2%)、30~39歳(10.2%)、40~49歳(38.8%)、50~59歳(28.6%)、60~69歳(14.3%)
職業別内訳 会社経営者・役員・団体役員(4.1%)、会社員・団体職員(95.9%)
担当業務内訳(複数回答可) 経理・財務(8.2%)、総務(24.5%)、法務(4.1%)、マーケティング (4.1%)、営業・販売(6.1%)、生産(4.1%)、技術教育(61.2%)、人事・研修担当(51.0%)、調達・外注(6.1%)、研究・開発・設計(22.4%)、生産計画(4.1%)、品質管理(8.2%)、保守(4.1%)、環境・安全(4.1%)、その他(2.0%)
従業員数別内訳 100~499名(6.1%)、 500~999名(16.3%)、1000名以上(77.6%)

性別

アンケート回答者属性


年齢別

アンケート回答者属性


所属部署別

アンケート回答者属性


従業員数別

アンケート回答者属性


都道府県別

アンケート回答者属性


3.まとめ

多くの企業・組織内でeラーニングの活用が進んでいます。その活用範囲は、情報通信業やサービス業、製造業、教育・学習支援業、金融・保険業とあらゆる業種に広がり、社員研修や人材育成、ナレッジ共有、顧客サービスなどに幅広く活用されています。今回はその中から、eラーニングを利用している製造業の経営者・役員および従業員計49名を対象に、技術教育におけるeラーニング利用の実態についてアンケート調査を実施しました。

その結果、製造業において就業時間内でのeラーニングによる自学習が定着しつつあることが明らかとなりました。媒体としてはPCが主流ですが、タブレット端末の利用も2割近くあり、PCを操作しづらい製造現場において、会社が用意したタブレット端末を利用して学習するという傾向が出てきているものと考えられます。今後はタブレット端末によるeラーニング利用や、現在はまだ少数派の携帯電話によるeラーニング利用がスマートフォンに移行し、さらに拡大していくことが予想されます。

また、利用しているeラーニング教材については『パワーポイントなどの簡易型コンテンツ』がわずかに多い結果となりましたが、『動画中心の配信型コンテンツ』『Flashアニメーションによる対話型コンテンツ』に対するニーズも少なくないようです。実際に、技術教育分野におけるeラーニングのメリットについて、7割以上が『映像などを取り入れたわかりやすい教育』と回答しています。また、『専門技術教育』『商品知識教育』にeラーニングを活用したいという声も多く、映像教材の特性を十分に生かしたeラーニングで、より高度な内容の技術教育を実施したいという製造業関係者の期待が感じられる結果となりました。

一方で、アンケート結果からは学習効果やコンテンツ作成などに関するさまざまな課題も明らかとなっています。とくに、製造業ならではの独自技術の教材化が、企業にとって大きな負担になっている現状が浮き彫りとなりました。また学習者の意欲を高め学習効果を上げる仕組み作りに苦心している企業も多いようです。今後は、会社独自の映像教材を簡単に作成可能な新しいソリューションや学習者の意欲をより高める教材の開発・運用サポートなどにより、専門技術教育のさらなる充実が図れるものと考えられます。製造業関係者のニーズにあった、新しいeラーニングの在り方に期待したいところです。


4.アンケート結果にみるポイント

今後eラーニングを利用したいのは、『専門技術教育』『商品知識教育』。
より高度な専門技術、会社独自の内容・分野のeラーニング化が注目されている。

会社において現在どのような用途でeラーニングを利用しているかを尋ねた結果(複数回答可) 、『コンプライアンス教育』77.6%、『基礎技術教育』71.4%、『一般知識教育』65.3%と続いた。『専門技術教育』は51%、『商品知識教育」は30.6%に留まった。(結果1)

次に、今後どのような用途でeラーニングを利用したいか尋ねたところ(複数回答可) 、『専門技術教育』55.1%、『商品知識教育』36.7%となり、結果1(現在のeラーニング利用者数)を上回った。一方、『コンプライアンス教育』、『基礎技術教育』、『一般知識教育』と回答した人は、実際に利用していると回答した人を下回った。

これらの結果から、製造業におけるeラーニングは、基礎技術教育や一般知識教育といった基礎フェーズをひと通り終え、今後はより高度な専門技術やノウハウ、会社間の競争力向上に直結する商品知識を教育するツールとしてその活用が期待されていることが明らかとなった。


PC利用からタブレット端末・スマートフォン利用へ移行・拡大か。
映像教材の特性を生かした、より高度な専門技術教育の実施に期待感。

eラーニングの主な利用時間帯は、『会社の勤務時間』がもっとも多く8割を超えた。終業後や休みの日、会社の休憩時間を利用して学んでいる人は少なく、通勤時間にeラーニングを利用している人は0だった。媒体としてはPCの利用がもっとも多く、タブレット端末の利用も2割近くとなった。

また、すでに技術教育の目的でeラーニングを利用している人に、どのような型式のコンテンツを利用しているか尋ねたところ(複数回答可)、『パワーポイントなどの簡易型コンテンツ』がやや多く、『動画中心の配信型コンテンツ』『Flashアニメーションによる対話型コンテンツ』も用途にあわせ活用されていることがわかった。

これらの結果から、製造業において就業時間内でのeラーニングによる自学習が定着しつつあることが明らかとなった。媒体としてはPCのほか、タブレット端末の利用も目立ち、PCを操作しづらい製造現場において会社が用意したタブレット端末を利用して学習するという傾向が出てきているものと考えられる。今後はタブレット端末によるeラーニング利用や、現在はまだ少数派の携帯電話によるeラーニング利用がスマートフォンに移行し、さらに拡大していくことが予想される。また、eラーニング教材としては映像中心の配信型コンテンツに期待する声が多く、映像教材の特性を十分に生かしたeラーニングでより高度な内容の技術教育を実施したいという製造業関係者の期待が感じられる結果となった。


技術教育分野におけるeラーニングの課題は『効果』と『コンテンツ作成』。
映像教材を簡単作成できるソリューションで、企業の負担減と学習効果向上へ。

技術教育分野におけるeラーニング実施の課題を聞いたところ、『効果を把握しづらい』『コンテンツ作成の工数が大きい』を主な課題にあげる回答者が多かった。そのほか、コストに関する課題や、運用に対する不安などもあった。

効果については、「習得状況の確認が難しい」「成果を把握しづらい」という声のほか、「対面授業と比べてコミュニケーションのやりとりが難しく学習意欲を高く維持することが難しい」「対象者の意識が低く、なかなか定着、実践しない」「継続して取り組める教材がほしい」と学習者の意欲の面で学習継続が難しく、それが理由で十分な学習効果が上がっていない可能性があることがわかった。

コンテンツ作成については、「効果的なコンテンツ作りに時間がかかり過ぎて非効率」「問題作成者が限られていて教育担当では作成できない」「技術教育分野は特殊事項もあり業界全体の汎用資料がないことが難点」といった意見が見られた。

製造業ならではの独自技術の教材化が企業にとって大きな負担になっており、また学習者の意欲を高め学習効果を上げる仕組み作りに苦心している企業も多いようだ。今後、会社独自の映像教材を簡単に作成可能な新しいソリューションや学習者の意欲をより高める教材の開発・運用サポートといった、eラーニングの進化により、専門技術教育のさらなる充実が図れるものと考えられる。


5.アンケート調査結果

GTグラフ


設問. 1 あなたの会社では、どのような用途でeラーニングを利用していますか。(複数回答可)



結果. 1 eラーニング利用のメインは、「コンプライアンス教育」 と 「基礎技術教育」。その他、約半数が「専門技術教育」に利用。

N=49
※「その他」・・・インターネット利用上の心得、セクハラ・パワハラ対策


設問. 2 あなたの会社では、今後どのような用途でeラーニングを利用したいですか。(複数回答可)



結果. 2 「専門技術教育」 「商品知識教育」でeラーニングを利用したいが現在利用しているを上回る。

N=49
※「その他」・・・インターネット利用上の心得、情報教育、英会話


設問. 3 eラーニングの主な利用時間帯はいつですか。もっとも多いと思われるものをお選びください。(お答えは1つ)



結果. 3 「会社の勤務時間」が8割超。休憩時間や通勤時間を利用して学んでいる人は極めて少ない。

N=49


設問. 4 技術教育の目的でeラーニングを利用されている方にお聞きします。どのような型式のコンテンツを利用されていますか。(複数回答可)



結果. 4 「パワーポイントによる簡易型コンテンツ」「動画中心の配信型コンテンツ」「Flashアニメーションによる対話型コンテンツ」が用途に合わせて活用されている。

N=38


設問. 5 技術教育の目的でeラーニングを利用されている方にお聞きします。どのような媒体を利用されていますか。(複数回答可)



結果. 5 「PC」が主流。「タブレット端末」の利用も2割近くと多い。

N=38


設問. 6 技術教育の分野におけるeラーニングにはどのようなメリットがあると思いますか。(複数回答可)



結果. 6 約70%が「映像などを取り入れたわかりやすい教育」と回答。映像教材で技術をより効率的に教育できる点が高評価。

N=49


設問. 7 技術教育の分野におけるeラーニングにはどのような課題があると思いますか。(複数回答可)



結果. 7 「効果を把握しづらい」「コンテンツ作成の工数が大きい」が2大課題。

N=49


設問. 8 技術教育分野でのeラーニングの実施について、ご意見をお願いします。(自由回答)



結果. 8 独自技術の教材化が企業の大きな負担に。学習者の意欲を高め継続を促す仕組み作りに苦心する企業も多い。


GT表


設問. 1 あなたの会社では、どのような用途でeラーニングを利用していますか。(複数回答可)



結果. 1 eラーニング利用のメインは、「コンプライアンス教育」 と 「基礎技術教育」。その他、約半数が「専門技術教育」に利用。

※「その他」・・・インターネット利用上の心得、セクハラ・パワハラ対策


設問. 2 あなたの会社では、今後どのような用途でeラーニングを利用したいですか。(複数回答可)



結果. 2 「専門技術教育」 「商品知識教育」でeラーニングを利用したいが現在利用しているを上回る。

※「その他」・・・インターネット利用上の心得、情報教育、英会話


設問. 3 eラーニングの主な利用時間帯はいつですか。もっとも多いと思われるものをお選びください。(お答えは1つ)



結果. 3 「会社の勤務時間」が8割超。休憩時間や通勤時間を利用して学んでいる人は極めて少ない。


設問. 4 技術教育の目的でeラーニングを利用されている方にお聞きします。どのような型式のコンテンツを利用されていますか。(複数回答可)



結果. 4 「パワーポイントによる簡易型コンテンツ」「動画中心の配信型コンテンツ」「Flashアニメーションによる対話型コンテンツ」が用途に合わせて活用されている。


設問. 5 技術教育の目的でeラーニングを利用されている方にお聞きします。どのような媒体を利用されていますか。(複数回答可)



結果. 5 「PC」が主流。「タブレット端末」の利用も2割近くと多い。


設問. 6 技術教育の分野におけるeラーニングにはどのようなメリットがあると思いますか。(複数回答可)



結果. 6 約70%が「映像などを取り入れたわかりやすい教育」と回答。映像教材で技術をより効率的に教育できる点が高評価。


設問. 7 技術教育の分野におけるeラーニングにはどのような課題があると思いますか。(複数回答可)



結果. 7 「効果を把握しづらい」「コンテンツ作成の工数が大きい」が2大課題。


設問. 8 技術教育分野でのeラーニングの実施について、ご意見をお願いします。(自由回答)



結果. 8 独自技術の教材化が企業の大きな負担に。学習者の意欲を高め継続を促す仕組み作りに苦心する企業も多い。


クロス表


設問. 1 あなたの会社では、どのような用途でeラーニングを利用していますか。(複数回答可)



結果. 1 eラーニング利用のメインは、「コンプライアンス教育」 と 「基礎技術教育」。その他、約半数が「専門技術教育」に利用。


設問. 2 あなたの会社では、今後どのような用途でeラーニングを利用したいですか。(複数回答可)



結果. 2 「専門技術教育」 「商品知識教育」でeラーニングを利用したいが現在利用しているを上回る。


設問. 3 eラーニングの主な利用時間帯はいつですか。もっとも多いと思われるものをお選びください。(お答えは1つ)



結果. 3 「会社の勤務時間」が8割超。休憩時間や通勤時間を利用して学んでいる人は極めて少ない。


設問. 4 技術教育の目的でeラーニングを利用されている方にお聞きします。どのような型式のコンテンツを利用されていますか。(複数回答可)



結果. 4 「パワーポイントによる簡易型コンテンツ」「動画中心の配信型コンテンツ」「Flashアニメーションによる対話型コンテンツ」が用途に合わせて活用されている。


設問. 5 技術教育の目的でeラーニングを利用されている方にお聞きします。どのような媒体を利用されていますか。(複数回答可)



結果. 5 「PC」が主流。「タブレット端末」の利用も2割近くと多い。


設問. 6 技術教育の分野におけるeラーニングにはどのようなメリットがあると思いますか。(複数回答可)



結果. 6 約70%が「映像などを取り入れたわかりやすい教育」と回答。映像教材で技術をより効率的に教育できる点が高評価。


設問. 7 技術教育の分野におけるeラーニングにはどのような課題があると思いますか。(複数回答可)



結果. 7 「効果を把握しづらい」「コンテンツ作成の工数が大きい」が2大課題。


設問. 8 技術教育分野でのeラーニングの実施について、ご意見をお願いします。(自由回答)



結果. 8 独自技術の教材化が企業の大きな負担に。学習者の意欲を高め継続を促す仕組み作りに苦心する企業も多い。



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