学校法人 敬心学園(日本医専)
学生は「自ら学び」、教員は「人にしかできない支援」を――KEISHIN.netによるLMS×教育改革の最前線

予習・復習から実技・試験対策まで、学習の全プロセスを一元的に支援する新たな学習基盤、それが学校法人 敬心学園 様の展開する『KEISHIN.net』です。“学習者主体の学び支援こそ教育DXの本質”という理念のもと、柔道整復師・鍼灸師を育成する専門学校 日本医専 様にて2025年4月より本格導入されました。

モチベーション低下、教員の負担増、個別支援の限界――KEISHIN.netはこうした教育の構造的課題を解決し、「誰ひとり取り残さない学び」を実現する先進的な教育DXモデルとなっています。

この記事ではKEISHIN.netの構想・設計を主導した敬心学園の中尾様、日本医専の兼子様のインタビューを通じ、取り組みの全貌と教育現場の変化に迫ります。

 
学校法人 敬心学園 事業推進支援部 特任マネジャー 中尾好伸 様(右)
日本医専 事務局 教学マネジメント推進課 課長代理 兼子啓太郎 様(左)

導入前の課題

  • 授業提供者の理論が先行し、学習者主体の取り組みが不十分
  • それぞれの授業・試験が連動せず、かつ学生の個別課題をクリアしないままに次へと進んでいる
  • 学生全員に対し、十分な分析と対応がなされていない

導入サービス

  • KnowledgeDeliver、カスタマイズ、ライブオプション(Zoom連携)、AMSオプション

導入後の成果

  • 学習プロセス全体を一元支援し、すべての学びを連動させた“学習サイクル”を構築
  • 個別最適化されたリコメンド学習を自動化
  • 実技・国家試験対策も、テクノロジーと人の融合によりDX化
  • 連続的な学習設計により、自己学習が定着
  • 教員の負担が軽減され、“人にしかできない支援”の集中へとシフト



“教える”から“学びを支える”学校へ――なぜKEISHIN.netは生まれたのか

学校法人 敬心学園 事業推進支援部 特任マネジャー 中尾好伸 様

KEISHIN.netを導入される前はどのような課題がありましたか?

中尾様:これまで学校は「授業を提供する場」としての性質が強く、学生の自己学習や個別対応を支援する仕組みは十分ではありませんでした。学生は授業を受けて終わり、となりがちで主体的な学びや知識の定着に課題がありました。

KEISHIN.netの立ち上げにはどのような狙いがあったのでしょうか?

中尾様:私たちが目指したのは「学習者主体の学びを支援する学習基盤」です。授業だけでなく、予習・復習・実技・試験など、すべてのプロセスを一元的に支える環境を作りたいと考えました。LMSを中心に学生が「自ら学ぶ」ための仕掛けも随所に組み込み、モチベーションや成績の向上、国家試験合格へとつなげていくことを目指しました。

“授業を受けて終わり”をなくす!学生が「自ら学ぶ」仕掛けとは

実際のKEISHIN.netの仕組みについて教えてください。

中尾様:最大の特徴は「予習・復習の自動化」です。授業前に予習問題を自動配信し、授業後には理解度に応じた復習問題を、忘却曲線に基づいて1日後・7日後・30日後に自動配信する仕組みです。さらに、試験後も誤答分析に基づく復習が個別に出題されるなど、学生一人ひとりに最適化されたリコメンド学習をシステムで自動化しました。



中尾様:これにより、学生は「今、何を学ぶべきか」が明確になり、効率的な学習が可能に。確認テストや過去問演習にもつなげることで、授業や試験の「受けて終わり」を防ぐ、連続した学習サイクルを実現しました。

学生が安心して学べる仕組みはほかにもありますか?

兼子様:授業動画は自動でアーカイブ化され、何度でも視聴可能。録画授業のオンデマンド配信もあり、効率的な学びを後押ししています。例えば、鍼灸の「東洋医学概論」といった抽象的な分野は、繰り返し視聴や一時停止ができるオンデマンド授業との相性が良く、理解を深めやすいです。

日本医専では75%以上の学生が働きながら資格取得を目指す社会人のため、通勤中や就寝前など、自分のペースで学べる点が特に評価されています。

実技も国家試験もまるごと支援!職業教育の要をテクノロジーで強化

職業訓練教育においては「実技」と「資格試験対策」も重要ですが、KEISHIN.netではどのように支援されていますか?

兼子様:実技については、専用の動画教材を導入し、事前視聴と反復学習を可能にしました。授業中の「教員のお手本を見る時間」を短縮し、学生が実践に充てる時間をより多く確保できるようになりました。

今まで同一空間では複数人へ等しく技能(教員の手元など)を伝えることが困難とされてきましたが、この仕組みにより正確な手技技能や施術者の動作を伝えることが可能となり、尚かつ学生がそれを繰り返し学べる環境を整えられたことは大きな進歩でした。


資格試験対策の仕組みも教えてください。

中尾様約5,000問にのぼる国家試験10年分の過去問や、定期試験などのオリジナル問題をデータベース化しました。これにより、学生は自由に問題演習に取り組むことができ、教員は国家試験と連動した授業計画やテスト作成が可能になりました。


学びの見える化で「自己学習」が定着!ダッシュボードが引き出す“自走力”

多機能なKEISHIN.netを学生が迷わず活用できる工夫はありますか?

中尾様:学生一人ひとりにダッシュボード型のマイページを提供しています。授業予定、出欠、予習・復習状況など、学生生活に必要な情報を集約し、学習の起点となるハブとして機能しています。成績のクラス内比較も可能で、行動変容のきっかけにもなっています。

兼子様:アンケートでも「自分の弱点を把握してから授業を受けられるようになった」「やるべきことが分かりやすい」といった声が多く寄せられています。実際に、授業アーカイブや実技動画を学生が繰り返し視聴しているデータから、自己学習の定着が確実に進んでいることが読み取れます。


「時間が足りない」を乗り越えて――教員が“本当に届けたかった支援”をすべての学生へ

KEISHIN.netがもたらした最も大きな変化とは何でしょうか。

中尾様:少予習・復習の出題や授業動画のアーカイブといった業務が自動化(*1)されたことで、教員の負担が大きく軽減されました。その結果、教員が“人にしかできない支援”に専念できるようになりました。

学生一人ひとりに寄り添った指導や声かけ、信頼関係の構築、励まし、目標達成までの伴走――こうした関わりは機械ではできません。だからこそ、機械でできることは機械に任せ、人にしかできない本質的な学び支援をすべての学生に届けられるようになったこと、これが最大の成果だと思います。

(*1) LMSとZoomの連携により、授業アーカイブ動画がKEISHIN.netに自動掲載される

兼子様:これまで、学生一人ひとりに個別対応したくても時間が足りないというジレンマがありました。この部分をKEISHIN.netで自動化・最適化し、学校全体の仕組みとして運用できるようになったのは大きな変化でした。特に成績中間層や合否ボーダーラインの学生にも、確実に支援が届けられるようになりました。

日本医専 事務局 教学マネジメント推進課 課長代理 兼子啓太郎 様

教員はKEISHIN.netの仕組みをどのように活用されていますか?

兼子様:予習問題で把握した学生の理解度をもとに授業内容を調整するなど、より効果的な授業設計が可能になりました。学習データや授業アンケートを活用し、授業改善や個別支援にもつなげています。

学びの機能をKEISHIN.netに一元化したことで、学生・教員ともに日常的に活用するようになり、結果として双方のコミュニケーションも活性化されました。

中尾様:今後は出席や成績、学習行動などのデータを分析し、メンタル不調や離脱リスクの兆候を早期発見し、教員の経験や勘に頼らない支援体制をさらに強化したいと考えています。

「LMS採用の決め手は「構造改革への共感」と「企業姿勢」

KEISHIN.netの基盤に「KnowledgeDeliver」を選ばれた理由は何でしたか?

中尾様:10社にお声かけした中で、私たちの想いを最も真摯に受け止めてくれたのがデジタル・ナレッジさんでした。我々の構想をベースにした具体的な設計を、プロの視点で提案してくださったんです。常に顧客本位の企業姿勢にも魅力を感じました。

KEISHIN.netは、導入後も進化し続けるプラットフォームです。だからこそ、長く信頼できるパートナーが必要でした。校長の岸本もデジタル・ナレッジさんを高く評価しており、教職員も「ここしかない」と満場一致でお願いすることになりました。

兼子様:開発中から現在に至るまで常に密な連携が取れており、非常に丁寧に対応いただいています。同じ目標に向かって進む、まさに“共創”のパートナーというべき存在ですね。

卒業生、社会人、海外へ――広がるKEISHIN.netの可能性

今後のKEISHIN.netの展望について教えてください。

中尾様:現在は日本医専の学生約700名が利用していますが、今後はグループ校全体へ展開し、数千名規模へと拡張予定です。また、卒業生向けのリカレント教育や一般の方向けの資格スクールなど、「卒業後も伴走する学びの基盤」としての構想もあります。

ありがとうございます。最後に、今後の抱負をお聞かせください。

中尾様:KEISHIN.netの取り組みは始まったばかりですが、これからの教育の質の向上に大きく貢献できると確信しています。将来的には行政や企業との連携、海外展開も含め、より多くの現場に“学びを支える仕組み”による価値を広げていければと思います。


【デジタル・ナレッジからみた本事例のポイント】
敬心学園様の「技術と人の育成を両輪で伸ばす」という発想に深く共感いたしました。学習の可視化と個別最適化で教員負担を軽減し、現場の運用フローまで磨き込むことで、真に必要な仕組みを共創し、オープンな拡張性と連携性を備えた基盤づくりをご一緒に進めてまいります。

《文教ソリューション事業部長 三堀 将寛》

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  • ライブオプション(Zoom連携)
  • AMSオプション

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名称 学校法人 敬心学園
設立 1986年
本社所在地 東京都新宿区高田馬場2-16-6 宇田川ビル6階

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