【インタビュー】埼玉医科大学 国際医療センター
大学病院初のJCI認定を取得!高度な医療教育を支えるeラーニング


学病院では国内で初めてJCI(国際医療機能評価)認定(*1)を取得された埼玉医科大学 国際医療センター様。医療の高度化、専門化が進み、患者ニーズもますます多様化するなか、医療機関としてより質の高い医療サービスの提供を追求する同センターがいま、目指す“最先端医療教育の在り方”とは? 第一線で活躍する医師、看護師の方も交えてお話をお聞きしました。

埼玉医科大学 国際医療センター様

埼玉医科大学 国際医療センター
岡本光順 副院長/消化器外科教授、教育支援センター長
小島真奈美 副看護師長/包括的がんセンター
只浦知華氏/教育支援センター

お客様のニーズ

  • 増え続ける教育内容に対応できる新しい研修の仕組みが必要。
  • 経験年数や専門分野に応じて、職員一人ひとりに最適化された教育プログラムを提供したい。

導入前の課題

  • 教育項目が多岐にわたるため、職員を一堂に集めての集合研修の実施が年々難しくなっていた。
  • 集合研修には出欠以外の評価指標がないものもあり、教育の質や知識定着の部分に課題があった。
  • 中途採用者をフォローする研修体制が整っていない。
  • 職員一人ひとりに合った専門教育をすべて集合教育で行うには職員の負担が大きい。

導入後の成果

  • 同院初となるeラーニング研修を導入。(全職員約2,000名が対象)
  • 知識教育のeラーニング化、すきま学習の定着化、ブレンデッドラーニング(集合研修との組み合わせ教育)を実現。
  • 経験年数や専門分野に応じて、職員一人ひとりに最適化された教育プログラムの提供が可能に。
  • 受講管理の徹底により高い受講率を実現。確認テストの実施で知識定着を図っている。
  • JCI認定後、さらに増加した教育項目にも対応。
  • 医療に関する権限を明確化するプリビレッジに一部eラーニングを利用するなど、その活用範囲が広がっている。

eラーニングを導入されたのはいつ頃でしょうか。

只浦様:平成26年に導入を開始し、今年で4年目になります。

それ以前はすべて集合教育でしたか?

埼玉医科大学 国際医療センター様

岡本光順 副院長/消化器外科教授、教育支援センター長

岡本様:そうですね。必要があればその都度職員を集めて講習会や研修会を行っていました。構内に最大600名を収容できる30周年記念講堂というのがありまして、そこで夕方6時に集合、とかね。ただ講習会や研修会の数が多すぎて……。

小島様:当院はがん・心臓病・脳卒中、そして救命救急を専門としている病院であり、全職員向けの研修、職種別の専門講習など、その教育は非常に多岐にわたっていました。

只浦様:そのため、職員を同じ時間に集めるということが年々難しくなっていたんです。

岡本様:職員を集めるのがまず大変だし、集めても聞いていない人もいる。出席を取るのが目的になってしまっている部分もありました。

ほかに問題はありましたか?

埼玉医科大学 国際医療センター様

   小島真奈美 副看護師長/包括的がんセンター

小島様:中途採用者は採用前の集合教育や研修を受けられないという問題がありました。そもそも、本来なら経験年数や専門分野に応じて、一人ひとりに最適な教育プログラムを提供する必要がありましたが、なかなかそういった取り組みができていませんでした。たとえば、看護部では卒後研修と呼ばれる一般的な看護研修に加え、各専門分野についての教育が必要でしたが、それらをすべて集合教育でカバーするには限界があり、職員の負担が大きくなっていました。

経験年数や専門分野によっても必要な教育が違ってくるなか、一人ひとりに最適化された教育を一斉研修で実現するのは難しかったわけですね。弊社のシステムを採用されたきっかけは何だったのでしょうか。

只浦様:ある病院に見学に伺った際、デジタル・ナレッジ社のシステム(KnowledgeDeliver)が使われていたことがきっかけだと前任の担当者から聞いています。パワーポイントで作った資料をそのまま教材としてアップでき、操作もシンプルで簡単だということが決め手だったそうです。また、複数キャンパスでの使用を考えていましたので、連携ができる点もよかったようです。

それでは、現在のeラーニング研修の実施状況をお聞かせください。

岡本様:常勤・非常勤職員、外部の客員教授も含めた全職員約2,000名がeラーニングを受講しています。
只浦様:教材にはすべてナレーションによる説明が吹き込まれており、視覚だけではなく聴覚からも情報を得られるようにしています。そして最後に確認テストで知識の定着を図っています。

医療機器の使い方などは講習会で、知識教育の部分はeラーニングで、といった具合に内容によって切り分けされているのでしょうか。

岡本様:そうですね。たとえば、人工呼吸器の使い方については集まって実習し、実習を受けた人はその後eラーニングを受講して知識の確認を行います。このような場合は、実習を受けた人のみeラーニングが見られる仕組みになっています。また、当院にはプリビレッジ(Privilege)という考え方があり、良質な医療を提供するために必要な裁量や権限を明確化しています。たとえば、抗がん剤を使うためには一定の権限が必要ですが、その条件の一つにeラーニングの受講を義務付けたりしています。

eラーニング導入による成果はいかがでしょうか。

小島様:eラーニングの整備により、がん、心臓、救急などの基礎知識や専門知識など、必要な内容をすべての職員が学べる環境が整いました。新人、5年目の教育など、経験年数や能力別の教育を細かく実施できています。また、中途採用者や部署異動時の教育にも活用されています。
岡本様:以前ほど集まらなくてよくなりましたね。いつでもできるというのも魅力です。

職員の皆さんはいつ、どこでeラーニングを受講されているのでしょうか。

岡本様:どこでもできますよ。スマホでも、家のパソコンでもできますから。僕らはいつも手術が終わってお茶するついでに自分のスマホでパパっと見たりしてますが、看護師さんたちはどうしてるの?

小島様:休憩時間や自宅に帰ってからの人が多いです。私は休日に外出する際、電車の中でスマホを使って受講しています。

只浦様:一度アンケートを実施しましたが、自宅52%、職場42%、通勤含む移動時間や外出先が6%という結果でした。

すきま学習が定着してきているんですね。

岡本様:ただね、数はもう大量にあるんですよ。今、いくつあるんだっけ?

只浦様:今年は約120コースです。

(資料を拝見して)コースごとにさらに細かいコンテンツがあり、受講率まで掲載されているんですね。

只浦様:経験年数や所属部署によって必要な内容が変わってきますので、これだけコンテンツを細分化しています。

岡本様:細かい受講率も出していますよ。当院では最後の最後まで追いかけますから(笑)。最終的には受講率100%が目標です。

弊社のeラーニングは管理機能の使いやすさも特長ですが、そちらもご活用いただいているようですね。

岡本様:誰がいつ見たか、何分で終了したかまで、すべてデータで出てきますからね。集合研修では寝ている人もいましたが、eラーニングは寝ていたらできません(笑)。確認テストもありますし、ちゃんと受講しているかどうかすぐに分かりますよ。

そういったチェックや受講管理はどこが担当されているのでしょうか。

埼玉医科大学 国際医療センター様

     只浦知華氏/教育支援センター

只浦様:我々教育支援センターが担当しています。月初に前月の全教材分の受講率を出し、その教材を作成したクラス管理者に共有して、「あなたが申請した教材の受講率は○%でした」「未受講者に受講を催促してください」とアナウンスします。全職員必須のものに関しては、こちらから強くアナウンスして受講を促しています。

コンテンツはすべて内製されていて、その作成担当者がクラス管理者になられているんですね。

岡本様:ええ、内容担保するために必ず責任者を立てています。専門外の教材の中身を説明されてもなかなか判断がつきませんので。

教材作りは手間ではないですか?

小島様:eラーニングの教材といっても、以前研修でも使っていたパワーポイントを使いました。作成ルールが決められていますのでその通りにやれば難しいことはありません。

ルールといいますと?

只浦様:「スライドは一章につき最大10枚以内」「問題は3問以上」「途中問題で章ごとに確認しながら、最後は確認テストで単元の総まとめを行う」といった感じで教材作成のルールを定めています。一度に何十枚もスライドがあると受講する側も大変ですので、なるべく細切れにしています。

岡本様:こういった工夫が、すきま時間での受講を可能にしています。

先ほど、医療に関する権限を明確化するプリビレッジにおいてeラーニングを活用しているというお話がありましたが、そのデータも受講履歴などとあわせて管理されているのでしょうか。

岡本様:プリビレッジでeラーニングを利用しているのはいくつかありますが、職員の誰がどんな講習を完了していて、どんな権限を持っているか、すべて管理して明確化しています。

只浦様:総務の方にもデータを送って共有・連携しています。

岡本様:職員の権限を文書化しておくというのは、JCIの考え方なんです。JCIの認定を受けた直後に職員のポートフォリオ制を導入し、eラーニングの受講歴や医療に関する権限、その申請が可能かどうかまで全てわかるようにしました。

職員の権限を明確にすることはどのようなことにつながりますか。

小島様:医療の安全や看護技術の担保、そして病院全体の質の向上につながると思います。

岡本様:研修やトレーニングを受けた記録をきちんと明確にすることが、ひいては患者さんの安全につながるというのがJCIの考え方なんです。

医療がますます高度化し、求められる専門技術や知識も増えるなか、今後さらに教育内容が増えていくことが予想されます。埼玉医科大学国際医療センターでは今後どのように人材教育を実施していかれますか?

岡本様:たしかに減ることはないでしょうね。JCIの認定を受けた後もさらに教育内容が増えましたからね。
今後の話でいうと、4月から新専門医制度が始まりますが、その基礎領域の講習は院内の講習でもOKということになっているんです。これまでは外部講習を受講する必要がありましたが、今後は各病院に任される部分が出てきますから、もしかしたらeラーニングの活用度がもっと広がるかもしれませんね。eラーニングが専門医の維持に役立つとなれば、今はeラーニングを実施していない病院でも今後ニーズが増えるかもしれません。

小島様:看護師は女性が多く、結婚や出産、親の介護などそれぞれライフスタイルが違います。個々の背景や希望にそった部署の配置や勤務体系に配慮しないと長く続けられません。それを踏まえた上で、一人ひとりがスキルアップできる教育環境をつくっていきたいですね。

岡本様:今、医療の現場でも働き方が問題になってるんですよ。要は働くなって言われてるんです。そんなことしたら医療が崩壊します。そのなかで、絶対に教育は受ける必要があるわけですから、個々の事情に対応ができ、すきま時間で教育を受けられるeラーニングはメリットが大きいと思います。

最後に、eラーニングに関する今後の課題や展望をお聞かせください。

岡本様:課題は教材のクオリティかな。

小島様:私自身も受講していて感じるのは、ただ読むだけの教材や文字数が多いものは良くないということ。受講する側が飽きないような工夫がもっと必要かもしれないですね。

岡本様:今、動画を導入しようとしてるんだよね。

只浦様:はい。当院では、BLS(一次救命処置)の救命講習を全職員に義務付けており、事前にeラーニングで勉強してから当日講習会に参加するという流れにしています。まずはそのeラーニングに動画を入れてもっと手順を分かりやすくしたいと考えています。

小島様:パソコンもスマホもタッチパネル操作ができるので、指で実際に動かせるとか操作にあわせて呼吸音が聞こえるとか、そのような教材ができれば受講する側も楽しく受講できると思います。

(*1)JCI認定……米国に本部がある、国際的な医療機能評価であるJCI(Joint Commission International)の認証。埼玉医科大学国際医療センターのめざす“患者中心の医療”“国際基準の医療”を検証するために、第三者機関であるJCIによる国際基準の評価を受け、平成27年2月7日に大学病院では日本ではじめて認定されている。


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名称 埼玉医科大学 国際医療センター
開設 平成19年4月
所在地 埼玉県日高市山根1397-1 

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