【参加型セミナーレポート】ゲーミフィケーション×教育研修。「心をつかむ研修」を実現するには?

写真:ゲーミフィケーション×教育研修の講義

2015年11月24日、ワークショップ型セミナー「ゲーミフィケーション×教育研修~心をつかむ研修を実現するには?~」を開催致しました。講師はゲーミフィケーションの第一人者、東京工科大学 メディア学部 准教授の岸本好弘先生。岸本先生の快活なファシリテーションのもと、ご参加の皆さんの発言や笑い声が絶えない、生きたワークショップを行うことができました。

本日のゴールは「次の教育研修で使えるネタを1つ以上みつける」。
さて、皆さんは無事ゴールにたどり着くことができたのでしょうか?

ゲームはなぜ面白く人を惹きつけるのか?『ゲームデザインの6要素』

最初に、ゲーミフィケーションに取り組むうえで重要となる『ゲームデザインの6要素』を、有名ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」「ドラゴンクエスト」を例にご説明いただきました。

  • 遊びたいときに遊んでやめたいときにやめられる→能動的参加

  • ステージクリアすると花火が上がる→称賛演出

  • ボタンを押すとマリオがジャンプする→即時フィードバック

  • 自分でパーティを組める(自分で仲間・メンバーを選べる)→自己表現

  • モンスターを何匹か倒すとレベルアップする→成長の可視化

  • 最初のスライムは弱い→達成可能な目標設定(頑張ればクリアできるような仕掛け)

写真:ゲーミフィケーション×教育研修の講義

このゲーミフィケーションの6要素を、岸本先生の大学授業ではこのように実践されています。

(1)能動的参加

  • 『発言スタンプカード』を作り、授業中の発言ごとにスタンプ押印。10コたまったらプレゼントがもらえる。

  • 「宿題やってきた人?」と問いかけ「はーい!」と学生に挙手させる。

  • 授業ロゴデザインを制作させる。デザインが苦手な学生は投票で参加できる。

  • クイズ形式で最終回の授業復習を行う。壇上に学生を上げてスクリーンに映し出しテレビ番組風に演出。

学生の心をつかむ6つの手法 (1)能動的参加

(2)称賛演出

意見はすべてが素晴らしい。学生の意見・発言に対し、拍手と褒め言葉を。

学生の心をつかむ6つの手法 (2)称賛演出

(3)即時フィードバック

学生の授業レポートを翌週の授業冒頭でフィードバック。全員に返信するのは無理だが、どういう意見があったのか全体共有を行う。

(4)自己表現

グループワークで自分の意見を発言。人の意見を聞くことも大切。

学生の心をつかむ6つの手法 (4)自己表現

(5)成長の可視化

成績の中間発表、最終発表。成績優秀者は壇上にあげて表彰状を渡している。

(6)達成可能な目標設定

  • 評価システムの開示。

    ゲームと同じポイント制。「各授業の課題レポート提出→1ポイント」「授業での自主的発言→1ポイント」など。加算制で成績が決まる。「僕は今何ポイントですか?」「このままだと評価は何になりますか?」という問い合わせメールにすべて対応している。

  • 「今日の授業でゴール可能なもの」を授業の最初に提示。最後にそのレポートを書かせたりしている。

今日のゴール

ゲーミフィケーションの実践は、企業研修や子供向けワークショップなどにおいても同じ理論で行います。「とくに社会人の方は褒められる経験が少ないので、称賛演出がとても効果的です」と岸本先生。年齢や社会経験を問わず、この6要素にモチベーション向上のヒントが隠されているのです。

「ゲームみたいに楽しい教育研修」を考えてみましょう!

ゲームデザインの6要素を学んだところで、いよいよ『ゲーミフィケーション×教育研修』のワークショップに入っていきます。

お題は「今まで体験して一番楽しかった教育研修は?」「今まで体験して一番つまらなかった教育研修は?」。参加者が2チームにわかれ、それぞれの体験談について考察を深めた後、「ゲームみたいに楽しい教育研修」「数年後のゲームみたいな教育研修」の提案をチーム別に取りまとめ、発表します。

ここでのポイントは、“いかにゲーミフィケーションの6要素を盛り込むことができるか”。さらに、集客のための研修タイトルやキャッチコピーも工夫するよう注文が出され、参加者が限られた時間で奮闘する姿が見られました。

写真:参加者が奮闘する机

発表後、岸本先生から「皆さんの積極性と実際に考えられたアイディアはすごいなと感じました!」とお褒めの言葉と拍手が!(早速“称賛演出”のお手本を見せていただきました)

ワークショップでは、ある参加者の方が実際に主催される『大学生向けマナー研修』にゲーミフィケーションを取り入れた提案が行われましたが、「実践されたらぜひその成果を確認したい」と岸本先生。ただゲーミフィケーション理論を学ぶだけでなく、実践し、さらにその実践結果を共有する成果発表の場が重要なのだと改めて感じました。

「即仕事に生かしたい」「実践してみたいとワクワク」参加者の振り返りをご紹介します

  • 「楽しくてあっという間でした。これまでゲーミフィケーションの6要素を使っているかという視点で研修を設計したことがなかったので、今後はそれを習慣づけていきたい」

  • 「今まで楽しいと思った研修が見事にゲームデザインの6要素を兼ね備えていたことが分かった。今仕事でやっているアプリ開発において何が足りないのかを考えたときに、目標設定の可視化ができていなかったという気づきがあったので即仕事に生かしたい」

  • 「最後のワークのとき絶対に時間が足りないと思ったが、ゲーミフィケーションと研修との組み合わせが意外と早くできた」

  • 「eラーニングはモチベーションが上がらずに途中でやめてしまう人も多いが、eラーニングにゲーミフィケーションを組み込むことによって最後まで楽しく取り組めるんじゃないかと直感的に感じた。次は実践でやってみたいとワクワクしています」

  • 「理系の大学で教えていて、学生同士のコミュニケーションを活性化したいという目的で今回参加した。参加して思ったことは、学生同士のコミュニケーションの活性化を考えるよりも授業を参加型にして面白くすれば、自ずとコミュニケーションが活発になっていくのかなと。そういう視点が重要だと感じました」

  • 「ほかの参加者の人にも協力してもらって、今週末に開催する現実の大学生向け研修にゲーミフィケーションの6要素を取り入れるシミュレーションができたのが良かった。ゲーミフィケーションの6要素はどんな研修にも当てはめることができるんだと気付けたことが一番の成果」

  • 「ファシリテーションというのもゲーミフィケーションと密接に関係があると感じました。さっき発表したとき拍手してもらってとても気分が良かった」

  • 「ゲーミフィケーションを理解しているつもりだったが、再認識した思いです。はじめて岸本先生のお話をきちんと伺うことができて良かった」

参加者一人ひとりがそれぞれのゴールにたどり着くことができ、大変意義深いセミナーとなりました。
岸本先生、ありがとうございました。

講師紹介

写真:岸本 好弘 氏

東京工科大学 メディア学部 准教授

岸本 好弘 氏

プロフィール

ゲーミフィケーション×授業の第一人者。約30年にわたり、ナムコ、コーエーにて、有名ゲーム開発を手がける。
その後、2012年から東京工科大学メディア学部特任准教授、現在に至る。
著書「ゲームはこうしてできている」。好きな食べものはオムライス。

主催:株式会社デジタル・ナレッジ
企画協力:株式会社デジタル・ナレッジ プラットフォーム事業部長 中嶋竜一
会場:eラーニングカフェ (株式会社デジタル・ナレッジ クリエイティブOne秋葉原ビル 8F)」

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