【インタビュー】大手前大学
都心にサテライト校、JMOOC活用プロモーション――
右肩上がりに学生数を伸ばす通信制大学の挑戦


学を取り巻く社会情勢が厳しく変化するなか、ひときわ異彩を放っているのが、右肩上がりで学生数を伸ばす兵庫県の大手前大学 通信教育部です。同部部長 浦畑氏へのインタビューで見えてきたのは、確かな教育力と魅力的な講座展開に裏打ちされた、数々の新しいチャレンジでした。全国展開、さらには海外をも見据えた東京サテライト校設置やJMOOCを活用した学生募集――先進的な取り組みに込められた想いと今後の展望をお聞きしました。

【写真】:現代社会学部 教授 浦畑 育生氏

大手前大学

通信教育部長

CELL教育研究所長

工学博士

現代社会学部 教授 浦畑 育生氏

弊社の「大学サテライト校支援サービス」のご利用により、東京にサテライト校を構えられました。まずは、そのきっかけからお聞かせいただけますか?

通信制大学にはeラーニングに加えてスクーリングという対面授業がありますが、全国展開を考えたとき、本学のある兵庫県まで来て頂くのは大きなネックになると考えました。そのため、東京にスクーリング拠点を構えたいというのがそもそものきっかけでした。

デジタル・ナレッジさんには本学の通信教育部の立ち上げの時からお世話になっていましたのでご相談しましたところ、アクセス抜群の秋葉原の本社ビルにてサテライト校支援をされているとお聞きし、すぐに利用を決めました。

「大学サテライト校支援サービス」では、ネット環境やプロジェクタ、マイクなどを完備した教室やセミナールームなどをご提供しております。こうした設備をどのように使われていますか?

ここには1階に設備の整った素晴らしい教室がありますし、8階にも大きなセミナールームがあります。そこでスクーリングを行うというのが主な使い方です。年間20日間ほど使用しています。

もうひとつは、説明会会場としての使い方です。パンフレットやWebサイトを見るだけでなく直接尋ねたいという方向けに学校説明会を行っておりますが、関東圏における説明会をここで開催させていただいております。単なる説明会ではなく、東京の先生方を講師に招き心理学や日本語教育などに関する講演会を行ったりもしています。この講演会をきっかけに本学に興味を持って下さる方も少なくありません。

また、関東在住の先生方との打ち合わせにも使用しております。通信教育ですから東京の著名な先生方に参加して頂くことが可能なわけで、そういった方々との打ち合わせにも大変便利が良いです。わざわざ本学のある兵庫県まで来ていただく必要がありませんからね。

本校から遠く離れたサテライト校でスクーリングや説明会を開催されるにあたり苦労された点は?

日程をお伝えするだけで整備された教室・設備を使用できるので、苦労は全くありません。設備だけでなく、デジタル・ナレッジのスタッフの方に受付などをお任せできるので、本来なら本学から人を2人、3人と出さないといけないところ、1人だけで説明会が開催できています。都心での学生募集イベントを最小限の人員・労力で開催、運営でき、本当に助かっています。

東京にサテライト校を作られてからなにか変化はありましたか?

出願者数が約2.5倍に増えました。サテライト校を作る前は関東圏の学生はほぼゼロでしたが、現在は都道府県別学生数の第3位が東京です。今やすべての都道府県から入学・受講いただいておりますし、海外も13カ国に学生さんがいらっしゃいます。

海外にもそんなに学生さんがいらっしゃるのですか。

海外13カ国に在住の数十名の日本人学生がeラーニングで勉強されています。この数は現在国内1位です。ここには日本語教育をスタートさせたという背景があります。海外在住で日本語を教えてほしいという需要がある、そうした方のためにeラーニングのみで日本語教員養成課程を修了できるカリキュラムの提供を開始しました。とくに宣伝はしていないのですが、海外の日本人の受講率が伸びまして、この厳しい状況のなか、毎年新入生を増やすことができている状況です。

地方大学が東京にサテライト校を持つメリットや意義に関して、どのようにお考えですか?

全国展開を行ううえで、東京に拠点があるのとないのではまったく違ってくると実感しています。国内全般、そして海外をも見据えた通信事業展開を目指している我々としては、日本の中心である東京に拠点を構えることは必要不可欠でした。

また、単なる場所の貸し借りだけでなく、東京にサテライト校を持つことで教育に関する旬の情報に触れ、そこからビジネスチャンスにつながる機会を頂けたことも大きなメリットでしたね。

たとえば、JMOOC・gacco(※)活用によるプロモーションのことでしょうか?

その通りです。ご存知の方も多いかと思いますが、2014年にgaccoが開講した当初、5~6校の大学の授業配信からスタートしました。東京大学の日本史の授業はとくに有名ですね。そのほか、慶応、早稲田、北海道などそうそうたる大学が名を連ねるなか、大手前大学も5番手でしたか、そこに入れて頂いたんです。普通だったら絶対に無理ですよ。そこをデジタル・ナレッジさんの力で実現して頂いた。それはもう本当に加速度がつきましたね。

gaccoで授業配信を行う目的としては、どんなことを意図されていましたか?

まずは大手前大学の名前をひろく知ってもらうということですよね。当時大きなニュースにもなりましたが、東大の日本史の授業は初回受講者だけで約2万人でした。もし早い段階でJMOOCに講座を載せることができれば、多くの方に大手前大学のことを知ってもらえるチャンスになると考えました。実際、本学の講座には7,000名もの方が受講登録され、そのうち2,000名の方に受講していただくことができました。

受講者の皆様の反応はいかがでしたか?

川本皓嗣名誉教授による『俳句−十七字の世界−』という講座を配信したのですが、満足度が非常に高く、当時開講されていた講座の中で修了率が1位という結果でした。「川本先生から学べたのは幸せだった」といったお声を方々から頂戴しましたし、本学の名前、そして教育力を知ってもらう良い機会となりました。

プロモーションや学生募集といった面から見ても手応えはありましたか?

わずか1 ヶ月足らずの募集期間で2,000名もの受講者を集めることができた、この意義は大きかったと思います。これまでの学校広報や学生募集では考えられなかったことです。大手前大学の名前を見たことも聞いたこともないという方がほとんどだったと思いますから、そういった意味でも宣伝効果は絶大でした。

通信制大学としての将来像や目標をお聞かせください。

今、全国№1の通信制大学の学生数が約1万人ですから、まずは学生数1万人、つまり№1を目指したいですね。2015年春の時点で本学は通信制大学の中で14位でしたが、右肩上がりに学生数を伸ばしており、おそらく2016年度にはベスト10入りするはずです。関西の学生はあまり増えておらず、これからの学校広報、学生募集は間違いなく関東圏が中心になるでしょう。そういった意味でも、サテライト校の果たす役割は重要です。

どのような講座を中心にカリキュラム展開されていますか?また、マーケットとしてはどのような需要があるとお考えですか?

心理学と日本語教育を2大柱としています。また最近では、通信制高校の卒業生や高校卒業後働いている方、大学を中退したがやはり大学卒業資格がほしいというような若年者入学が増えています。これがおそらく3本目の柱になり得ると考えています。

最後に、eラーニングやJMOOCに期待すること、あるいはご要望があればぜひお聞かせください。

JMOOCに関しては、今は一つひとつの講座が単品ですが、もう少しコース化やパッケージ化が進み、それを大学が単位として認めたり就職時に評価されたりといったことが実現できれば、より価値あるものになりますよね。海外のように日本でもさらに活用が進むでしょうから、gaccoの今後の展開に期待しています。

また将来構想としては、eラーニングによる大学院をスタートしたいと考えております。海外にいながら学べる日本の大学院、しかもeラーニングのみで学べて卒業できる大学院は需要があるのではないでしょうか。MBAの大学院はたくさんありますが、日本研究や比較文化といった切り口での修士号、博士号もマーケットが大きいのではないかと考えています。ともあれ、eラーニングは非常に大きな可能性を秘めていますから、本学としても十分に活用していきたいですね。

【写真】:サテライト校でのスクーリング

サテライト校でのスクーリングの様子。

【写真】:サテライト校での説明会

サテライト校での説明会の様子。


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名称 大手前大学
設立 1946年
所在地 兵庫県西宮市御茶家所町6-42 さくら夙川キャンパス

※gacco(ガッコ)とは……

“無料で学べる大学講座”として、NTTドコモ社とドコモgacco社が共同で運営・提供しているウェブサービス。
大学教授陣による本格的な講義を、誰もがオンラインで無料受講できる。一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)公認。日本初の大規模公開オンライン講座(MOOC)提供サイトとして2014年2月3日に開設。

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