【開催レポート】特別ゲストもご登壇!「英語4技能×AI」イベント

2017年11月9日(木)、特別イベント『英語4技能時代の教育~教育現場を支えるAIの可能性~』を開催いたしました。先着150名の定員が早々と満席となり、盛況のなか終了させていただきました。ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。


 
昨今、AIが急速に発展し、世界を変えるテクノロジとして注目をされています。しかしながら、本当に使えるのか、とくに教育シーンではどのような活用ができるのか、まだ答えは見えていません。一方、教育現場では英語4技能育成が喫緊の課題となっています。
今回のイベントでは特別ゲストをお迎えし、「英語教育」や「AI」を深く掘り下げるべく、以下4部構成のプログラムをお届けしました。
 

■プログラム

【第1部】 基調講演『マイ・イングリッシュを育てる英語教育』

    慶應義塾大学環境情報学部教授/ココネ言語教育研究所所長 田中 茂範氏
【第2部】 基調講演 『人工知能が啓く教育の可能性』

    ゲームAI開発者 三宅 陽一郎氏
【第3部】 『教育テクノロジが推進する新たな教育スタイルの提案』

    株式会社デジタル・ナレッジ 代表取締役 COO 吉田 自由児
【第4部】 『AIトレーニング トレパの開発状況とその可能性』

    株式会社デジタル・ナレッジ 教育ICTサービス事業部 トレパサービス推進室長 岡田 健志

■【第1部】基調講演『マイ・イングリッシュを育てる英語教育』

第1部では、英語教育の権威である、慶應義塾大学環境情報学部教授でココネ言語教育研究所所長の田中茂範氏をお迎えし、英語教育の本質についてご講演いただきました。

マイ・イングリッシュとはなにか? ~日本人の象徴的表現「I can’t speak English」~


    外国人から話しかけられ咄嗟に「アイ キャント スピーク イングリッシュ」と言ってしまったことのある人はどれくらいいるでしょうか。 「ネイティブスピーカーのように話したいけど話せない」 多くの日本人が感じる英語に対する劣等感は、今も昔もあまり変わっていません。

    一方で、田中氏によると、世界で約15億人が英語を話し、そのうち英語を母語とする人(母語話者)は3.7億人にすぎないそうです。つまり第二言語として英語を話す人が圧倒的多数であり、その数は増え続けています。そして世界では、英語を母語としない人も胸を張って自分の言葉として英語を話しています。

 

英語は「外国の言葉」から「グローバル言語」へ


    これまで日本の英語教育では、アメリカ英語を規範とし、限りなく母語話者に近づこうという学習努力をしてきました。しかし、英語がグローバル言語になったとき、ネイティブスピーカーは存在しなくなると田中氏は指摘します。

コンゴ人、韓国人、インド人、アメリカ人、インドネシア人――多国籍な人々と英語でやり取りをするのが日常となるこれからの時代に、「ネイティブである私の英語は正しい。君の英語は間違っている」などというのはナンセンス。問題は“その英語が通じるかどうか”。英語教育の権威である田中先生に言われると、重みがあります。
 

そこで冒頭の問いかけ、「マイ・イングリッシュとは?」です。


    自分自身の体験、価値観に根付いた個性的な言葉、「マイ・イングリッシュ」を育てることが大切だという田中氏。田中氏によると、これからの英語教育は、「英語を学ぶ、英語を教える」という従来の発想から、「生徒一人ひとりのマイ・イングリッシュを育てる」という自覚を先生が持ち、生徒も教科書の中に正解を探すのではなく「自分の中にマイ・イングリッシュを構築する」という自覚をもつことが大切だということでした。

オンライン英語学習、AI活用が転機となるか?


    講演後半には、「マイ・イングリッシュをどう育てればよいか?」についても詳しくお話しくださいました。とくにオンライン英語学習の可能性は非常に大きいと田中氏。一人ひとりに最適化された教育がテクノロジで実現可能となった今、英語教育においてもICTが果たす役割がまだまだ多くあるのかもしれません。

「オンラインを最大活用することで英語の日常化(=学んだら使う、使ったら学ぶ)が実現できる。さらなる強みは、学習履歴が残ること。AIロボットならば、一人ひとりとやり取りした記録が残ることでこれまで考えもしなかった世界が実現可能となるだろう」と田中氏

40分という限られた時間でしたが、今後の英語教育の指針となる考え方とその可能性について貴重なお話をしていただきました。

■【第2部】基調講演 『人工知能が啓く教育の可能性』

第2部では、ゲームAI開発者の第一人者である三宅陽一郎氏にご登壇いただき、人工知能の歴史や種類、どう活用されているか、今後人工知能とどのように向き合うべきかを詳しくお話しいただきました

実は人工知能には2つの種類があるそうです。


一つは単独の人工知能です。
情報化社会がさらに進むと、やがて街全体を制御する人工知能の出現が想定されるといいます。つまり、人工知能が電気、ガス、インターネットのように社会インフラとなる世界観です。この部分を歪曲してあたかも人工知能が人間社会を乗っ取るなどと解釈されがちですが、実際には空気のように生活に溶け込みインフラとなった人工知能を、私たちはほとんど意識すらしなくなるかもしれません。

もう一つは人間とペアを組む人工知能です。
自分の仕事の一部を、人工知能がやってくれるようになります。そこで重要なのは、人工知能を使役する能力です。人工知能とペアを組んで強いチームが勝つ時代、人工知能といかに共存するかがカギとなる時代の到来です。


「人工知能は一つのことしかできないが、その一つが大変得意。近い将来、それぞれの職業、年齢、地域ごとに必要な人工知能が開発されていくだろう」と三宅氏
 

なぜゲームAIが教育現場で使えるのか?


すでに教育の現場にゲームAIを使おうという動きがあり、その背景にはゲームAIの教育への親和性の高さがあるそうです。
例えば、ゲームAIはログからユーザーの緊張度を測定しています。緊張度が低い場合はモンスターをたくさん出現させ、緊張度が高い場合はモンスターの出現を制限します。つまり、現代のゲームは、プレイヤーのレベルや心理状態に合わせて内容が変化しているのです。三宅氏はこれを「コンテンツの方が人に合わせてくれている」と表現されましたが、もちろん、かつてのゲームはそうではありませんでした。昔は人が一つのコンテンツに適応しなければならなかったのです。

教育でもまた、同じことが起こり得ます。すなわち、これまでは画一的に提供される教育に人が適応しなければなりませんでしたが、今後は一人ひとりの人間に合った教育を、人工知能の活用により実現できる可能性が期待できるということでした。

「人工知能は一つのことしかできないが、その一つが大変得意である」
「人工知能は与えられたフレーム(問題設定)の外に出ることはできない」
「フレームを作り与えるのは人間である」
という三宅氏の言葉から、今後、教育の課題を解決するためにどのようなフレームを創造し人工知能に与えるのか、私たち人間の次なる一手があらためて重要だと感じました。

■【第3部】『教育テクノロジが推進する新たな教育スタイルの提案』

第3部では、弊社代表取締役 COO の吉田 自由児がモバイルテクノロジ、教育ビッグデータ、ラーニングアナリティクス、VR(バーチャル・リアリティ)、AI(人工知能)といった最新の教育テクノロジを紹介しました。学習機会・場所の拡大や、スキマ学習、学習効果の測定/可視化、指導ノウハウの定量化、パーソナライズド・ラーニング、経験学習/体験などテクノロジの進化が教育現場に与えるインパクトについて解説しました。また、弊社が手掛ける教育テクノロジの詳細や、デジタル・ナレッジの新しい取り組みについてもお話させていただきました。

■【第4部】『AIトレーニング トレパの開発状況とその可能性』

どうすれば先生方の負担を軽減しながら、スピーキング、ライティングというアウトプットトレーニングを現実的に行えるのか?この社会的課題に対し、デジタル・ナレッジが現在開発・実証実験を行っているのがAIによるアウトプット型トレーニング支援システム『トレパ』です。第1部、第2部で田中氏と三宅氏が言及されたような、一人ひとりに合った英語教育の実現を助けるツールとなっています。

本セッションでは、トレパの開発コンセプトや開発状況に触れると共に、デモンストレーションを実施、
教育現場での使い方を弊社教育ICTサービス事業部 トレパサービス推進室長の岡田 健志がご提案しました。具体的には、トレパの現状のAI構成からトレパのAIトレーニング機能の詳細についてそのほか、AIトレーニングのメリット、AIトレーニングのデザインについて詳しく解説しました。

AIをどのように活用していくか、AIをどうやって使いこなすか、ノウハウをいかに作り上げていくかが重要と話しました。


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