教育ビッグデータとは


ラーニング・アナリティクスの概念

あらゆる教育活動をデータとして収集し、可視化・分析する。まずは「ラーニング・アナリティクス」のフローと目的を理解しよう。

びに関連する様々な学習履歴や行動履歴などのいわゆる教育ビッグデータを収集し、可視化・分析することで、学習の評価や様々な予測、成績と学習行動の関係性を明らかにしたり問題点を導き出すのがラーニング・アナリティクスです。教育ビッグデータの価値を引き出す手法がラーニング・アナリティクスとも言えます。

教育ビッグデータを利用したラーニング・アナリティクスは主に図2 の流れで行われます。

e ラーニングや Web サービス、学習アプリや人事データベースなど、様々なアプリケーションやサービスが学習履歴や行動履歴をそれぞれ単独で生成し保有しています。これら履歴データを LRS(Learning Record Store) と呼ばれる学習履歴を格納するサービスに受け渡し、LRS ではこれら履歴をまとめて蓄積します。

あらゆる教育活動の情報が収集の対象になりえます。例えば履歴を生成するデバイスとして、生体情報を収集するウェアラブル端末などの IoT も今後広まってくると予測されます。こうした流れを受け、教育ビッグデータはますます大きく、そしてバリエーションにも富んでくることでしょう。この状況を見越して、様々な種類の履歴情報を一律に扱えるよう LRS に受け渡すための標準規格としてxAPI と Caliper Analytics という2 種類が制定されています。

図2: 教育ビッグデータ / ラーニング・アナリティクスの概念
図2: 教育ビッグデータ / ラーニング・アナリティクスの概念

こうして LRS に蓄積された教育ビッグデータを、正しく処理できるように異常値を処理したり正規化を行うデータクレンジングというデータ加工を行い、その後の処理が行いやすい形式に整えます。ちなみに一般的なラーニング・アナリティクスでは、このデータクレンジングが最もデータサイエンティストたちの手間のかかる処理とされ、全体の工程の80~90% 程度要すると言われています。

こうして得られたデータを分析にかけます。用いられる分析手法は様々で、広く Excel 等で行われる初歩的な集計手法から高度な統計手法を用いたもの、マシンラーニング技法を用いたアルゴリズムなど様々な手法があります。データサイエンティストたちはどのようなアウトプットを得たいのかを考慮しつつ、有益な分析を試行しながら最適な分析手法を適用します。

このようにして得られた分析の結果には、主に2 つの利用用途があります。

利用用途の1 つ目は可視化です。表やグラフを用いて学習状況や分析結果をわかりやすく表示します。これら可視化ツールを用いて分析結果を見ることで、様々な気づきを得ることができるでしょう。

利用用途の2 つ目は自動化です。分析にて得られた数値やアルゴリズムをもとに自動処理を行い、有益な機能を提供します。例えば現在の履修状況から次のおすすめ教科を推奨する「レコメンド機能」や、受講者の苦手な領域や次の学習箇所を類推し効率的な学習を進める「アダプティブ」、退学者を事前に予知する「退学予兆検出」などのサービスを提供することができます。

これら一連の処理を行うのがラーニング・アナリティクスという手法です。

①収集 学習履歴や活動履歴など各システム/デバイスから生成される履歴を収集する
②蓄積 収集された履歴をデータベースなどに保存する
③加工・分析 履歴に対し前準備(データクレンジングなど)を行った上で統計やマシンラーニングなどの手法を用いて処理を行い、表示/ 加工しやすいように成型する
④可視化 成型されたデータを表やグラフを用いて表示する
⑤自動化 分析によって導かれた結果をもとにアルゴリズムを実装し、レコメンドやアダプティブなどの自動処理を行う
表1: ラーニング・アナリティクスの業務ステップ


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