Yearly Archives: 2018

今日は「トークの日」~トレパJを活用したインターカルト日本語学校さんの取り組み紹介~

本日は10月9日!! 「10(トー)9(ク)」の日、ですね?

いつも思うことは、人と話すことって非常に難しい!価値観のちがい、その瞬間にこだわっている点などのちがい、言語表現についての感覚のちがい・・・そんなことを考えながら3連休をのんびり流れる雲の下で過ごした研究員・岡田です。

 

私の場合、何年も学び、何年も悩み、打ちこんだはずの英語では、なかなか成果が出ませんでした・・・哲学・思想系の英文は読めるんですが、例えば経済学なんかだとまるっきり分かりません。ましてや、「話す」ことは苦手で、いつも逃げ出したくなります。

翻って考えて、世の中のコンビニで働く外国人の方々の日本語の上手なこと! 応援したくなりますよね。

 

実は先月ですが、弊社のAIツール「トレパ」(https://torepa.jp/)のコンテンツパートナーであるインターカルト日本語学校さんの授業を見させていただきました。「トレパJ」(トレパの日本語版)を使った授業でした。

インターカルト日本語学校さんの

 

授業内容は、「尊敬語」!日本人でも難しいですよね。特に、友達同士の会話ではなかなか出てこない特殊な表現であったり、ちょっと持って回った言い回しに舌がついていかない・・・

単に尊敬語のトレーニングというだけではなく、尊敬語を使うシーンとして「アルバイトの面接」を設定していました。やっぱり、言語学習はどこまで「自分ごと」の課題感に落とし込めるかが重要ですよね。

写真 2018-09-03 17 09 12

授業の流れは以下のようなものです。

(1)ダウンロード方法の資料を配布

(2)トレパJの用意した尊敬語コンテンツを使い、1台のiPadをクラスで回して、活用の確認をしながら発音トレーニング

(3)教室モニターで結果をみんなで確認。発音のポイントを先生より解説

(4)2~3人のグループになり、各グループでトレパJをおこなう(尊敬語の練習)

(5)次にプリントで面接会話を敬語に直しみんなで確認

(6)グループでトレパJをおこなう(面接トレーニングで面接官と会話)

(7)来週面接のテストをやることを告知

 

 

トレパJは、個人のスマホでトレーニングできますが、インターカルト日本語学校さんではクラス内でiPadを回して、みんなでとレーニングを共有していました。

個人トレーニングでも、結果を他の人に気軽に見せ合っていました。

写真 2018-09-03 17 10 44

日本人に比べて、やはり照れというのは少ないのでしょうか。みんなで楽しくワイワイと他の人や自分の結果を見ながら一緒にトレーニングする雰囲気はとってもステキですね。

実際に、インターカルト日本語学校の先生からも、

今回、授業の始めに尊敬語の活用コンテンツを皆で回してトレパJを行い、結果をモニターで共有する流れにしたところ、一人でトレパJを行うよりもクラスメイトの発音結果を確認することができたので、周囲との比較や自身の発音の課題が見えやすくなったと思う。そういった事から、トレパJを授業で取り入れる際は、クラス全員で取り組めるような流れにするとクラスでトレパを行う意義があり、より内容の濃い授業になると感じた。

という感想を頂きました。日本の英語の授業でも是非このような一体感のある授業がトレパで展開できるといいですよね。

 

今日は「トークの日」。皆様も、英語でも日本語でも、トレパを使ってみませんか?

◆トレパ(英語)の公開コンテンツはコチラ

https://dk-ai.mybluemix.net/

◆トレパJ(日本語)の公開コンテンツはコチラ

https://dk-ai.mybluemix.net/ja

事務所拡張、7Fをオープン

2011年9月に本社が現在の秋葉原オフィスに移転して以来、ここ秋葉原の地で7年ほど活動しております。B1Fのスタジオや会議室、1Fのショールームや会議室は外部の方もご利用いただく機会もありますが、2Fより上はオフィススペースのため外部の方がご覧になることはないかと思います。

2Fと3Fがメインの執務スペースで東京本社の各事業部が活動しておりますが、最近は場所が手狭になったので、最近では8Fのカフェの奥の部屋や9Fのスペースもそれぞれ新規事業系と経理系のオフィスを構えておりました。

そうこうしているうちに人が徐々に増えて、2Fや3Fがギュウギュウになってきており、これ以上の人数増は厳しい状態になっておりました。

弊社ビルは自社ビルでして、そこで、弊社オフィスビルの7Fがテナントさんのご都合でたまたま空室になりました。というわけで本日10月9日より7Fもオフィススペースとして利用することになりました。

7Fがオープンしました。 (エレベータの行き先ボタンはなんの表示もありませんが)

7Fがオープンしました。
(エレベータの行き先ボタンはなんの表示もありませんが)

7Fという場所が広がったことで、7Fに移動したスタッフの快適性が上がったのと、もともと2Fに詰め込んでいた席にちょっとゆとりが生じたり、8F奥や9Fといった狭いところで篭っていた事業部が広いスペースに移動したりと、スタッフの快適性や仕事のしやすがが向上したと思います。

また、7Fや2Fには空きのスペースがいくつか出来たため、今後はこのスペースを活用したさらなる事業拡大も行えることでしょう。

一方で、場所が同じビルとはいえ、やや離れたことで、日頃からのコミュニケーション、事業部を超えての交流をどのように進めていくかという点においては、課題も増えたわけですが・・・

ちなみに私は今、7Fの空きスペースに座ってこのblogを更新しています。

真新しい家具のおかげで、明るい雰囲気です。また、2Fや3Fと違って天井を抜いていないので天井が低く感じる反面、一般的なオフィスっぽい雰囲気で、これはこれで悪くないなと思っております。

 

なにせ社内のオフィススペースですので「お気軽に遊びにきてください」というわけにも行きませんが・・・

7F拡張のお知らせでした。

■関連情報■

「教育×VR」の新潮流〜VR/AR/MR ビジネスEXPO TOKYOに参加してきたよ~

行ってきました!

VR/AR/MR ビジネスEXPO TOKYO

あ、強調し過ぎた。。そろそろMicrosoftからHoloLensの新しいのが出るのではないかと、MR貯金をしようかと思っている研究員・岡田です。

秋葉原UDXで、10月4日に上記の展示会がありました。

意外と、すいすいと入れます。なぜなら、今回、VR,AR,MRの展示会なので、「体験しなけりゃ意味がない!」ということで、参加者はチケットを購入する際に入場時間帯を選びます。こうすることで、スムーズにそれぞれの展示ブースを回ることができます。

 

気になったブース・サービスを紹介する前に、少しだけ強調したいことがあります。

それは、「VR,AR,MRは体験しないとわからない」ということです。

 

これ、言葉でいうと簡単なんです。これもよくセミナーでお話をする内容なのですが、野球で「ヒットを打てるようになりたい」と言ってくる子どもに、「ストライクのボールが来たら、バットで打ち返せ」とアドバイスするような言葉での指導は意味がありません。

baseball_hit

同様に、社会人のOJT(On the Job Training)や、学生の社会科見学・体験学習が無意味なものになってしまいます。でも、これらこそ、本当に重要です。

体験でしか理解できないものが確実に存在します。

 

さてさて、展示会に話を戻します。

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デジタル・ナレッジもブースを出しておりました。やはり、最近では「研修」分野での利用が多くなり、社内研修として「VR+eラーニング」というセットに注目が集まっています。

従来のeラーニングだと、知識の伝授というところがメインでした。しかし、今後は社内研修などでOJTに変わる「体験」をもとにした教育が必要となってくるはずです。

というのも、今はどこも人手不足。先輩や上司が後輩を丁寧に指導する時間的・人事的余裕がないという声もよく聞かれます。また、OJTでは、ルーチンに近いような典型的・定型的な状況での業務遂行や判断のトレーニングはできても、「危機管理」(例えばクレーム処理など)という年に数回しか体験しないような事柄や偶発的に起こる事柄についてのトレーニングは「機会がない」という意味でできませんでした。それをeラーニング、特にVRを合わせたeラーニングでは、転ばぬ先の杖となるような事前トレーニングが可能になります。

 

別のブースに目を転じてみましょう。

私が最も関心を持ったのは、株式会社Synamonさんの「NEUTRANS BIZ」(http://neutrans.space/)です。

VR空間構築ソリューション、というフレーズが興味をそそりますが、これ、VR会議室だと思ってください。それを体験しました。

 

いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

キタキタ!!!!

 

ペン使って、会議できるんだよ?

しゃべれるんだよ??

3Dオブジェクト、いじれるんだよ???

 

 

 

 

 

 

 

 

ね? 体験していないと、私の興奮の意味が分からないでしょう?w

何よりもすごいのは、ペン機能とカメラ機能! これは、会議室ではなく「開発室」や「研究室」になる。

ペンは、x軸・y軸だけではなく、3D空間なので、空中にz軸も含めた奥行きある線が書ける。いわゆる3Dペン(http://3d-printer.marketing-be.com/archives/6552)を使っている感覚です。

 

これが初等中等教育で使えれば、空間把握力が育成できる仕組みができそうですね。

 

他で興味を持ったのは、VTuber、動き回れるVR水族館(https://www.forgevision.com/)、MR,ARを利用したOJT支援ツールです。

 

VR水族館は、歩ける…というか、デモでは2・3歩でした。ただ、それでも、3DCG空間ではなく、リアルな風景を撮影したVR動画の中を動けるのは新鮮でした。没入感が違いますね。プロジェクションマッピングの技術の応用だ、ということをスタッフの方はおっしゃっていました。視点の変化による対象物との「角度」が変わることに着目した技術でしょうか。これも言葉で表現してもしょうがないなあ、体験して!と思います。

あとは、事前トレーニングとしてVRを使うのではなく、リアルタイムに業務中に教育しちゃおう、というノリがMR,ARにはありますね。

 

そして、思えば、機材の性能が本当に良くなったな、と。

HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の液晶を開発している会社さんのデモでは、解像度などが格段に向上していて、感動しました。

 

「VRなんてまだまだ先だよ」って思っている方、まず体験してみましょう! VRのエンタメ施設も、各地にできていますしね!

 

◆デジタル・ナレッジの教育用VR制作サービス◆

https://www.digital-knowledge.co.jp/product/vr-contents/

 

基礎技術開発の重要性~~ABLE「脳科学を教育に活かす」に参加して~

朝夕、めっきり冷えてきましたね。お風邪など召されていないでしょうか。

eラーニング戦略研究所の「研究員」・岡田です。ご無沙汰しております。

 

最近、何をしているか、というと「研究」です。その一環として、先日はABELの「脳科学を教育に活かす」というセミナーに参加してきました。http://cogpsy.sfc.keio.ac.jp/able2018september/

このセミナーの主催者である慶応大学の今井むつみ先生(http://cogpsy.sfc.keio.ac.jp/imailab/)は、私の憧れの研究者です。認知科学の分野から、学習論を論じるという、「認知学習論」を提唱されており、特に第二言語習得と母語の関係性などの研究で有名です。数々の新書もご執筆されており、非常に明快な文章で中高生にも人気があるようです。

 

その今井先生の最初の一言は、非常に示唆的でした。

今、巷には「脳科学」の研究者が教育や学習についてあたかも真正な知見であるかのような情報発信をしている場合がある

こんな趣旨でした。

脳科学の研究者が教育や学習について語ることがそこまで危ういことなのか、と思う方もおられるでしょう。

しかし、いくつかの点で、学術的には危うい傾向があります。それを整理していきましょう。(ここからは、ABLEの発表を聞いて、岡田が理解した限りの論点整理です。責は岡田にあります。)

 

【Point1】

脳の「状態」を測定できるということ、また脳状態と心理状態との相関関係が明確になることと、「どうしたらそのような状態になるのか」とは異なる。

例えば、ある学習動画を見た受講生たちの心理状態と脳状態を計測したとします。

Aさんは、大変心地良く感じ、その時の脳状態も「心地よい」時に反応する状況だったとします。

Bさんは、大変不快に感じ、その時の脳状態も「不快である」時に反応する状況だっとします。

この違いについて測定できることと、なぜ2人の反応にこのような差異が生まれたのかを知ることは違います。例えば、Bさんはここに登壇していた講師のことを個人的に嫌いだっただけかもしれません。このように、「快/不快」や「集中/散漫」などの状態を計測することはできますが、これらの状態を引き起した原因について知ることは別のことです。

 

さらに深刻なことは、10個の英単語を覚えているCさんと、10000個の英単語を覚えているDさんの学習の差を、脳状態で測ることはおそらくはできないでしょう。もし、2人ともが英語学習を「心地よい」と思っていたら、そのような脳状態になるでしょう。もちろん、熟達具合によって、脳の多様な場所が同時に反応するか否かなど、調べることはありそうですし、今後、画期的な発見があるかもしれません。

一方で、何かを一瞬で判断することがタスクになっている場合には、その時の反応が脳内でどの部位が連動して動いているかは計測可能です。

 

一つのことが計測可能だからと言って、それを拡張して適用することは、アカデミックな領域では慎む場合が多いのですが、こと教育(というよりも「学習」)になるとそれぞれの持論を語ってしまいたくなるようです。

今井むつみ先生がおっしゃっていましたが、例えば脳科学で「猫」に対して行われた実験結果がどこかの論文に載ると、なぜか人間一般に当てはまるかのようにメディアが取り上げることがある、とのことです。

AI(人工知能)についても、確かにシンギュラリティの論説は、ある特定の研究者が提言しただけで、定説までになっていない状況でメディアが広めたという経緯があります。人工知能学会の有識者の方々はシンギュラリティに否定的です。

これらをまとめると、以下のようになります。

【Point2】

一つの学術的知見を、拡大解釈・拡大適用することは慎もう

 

加えて、当日登壇されていたスイス連邦工科大学のMINT学習センター所長のラルフ=シュマッハー教授が非常に面白い例を挙げていました。

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椅子というものは、様々な種類があるけれども、それを「記述」するのに様々な切り口がある。例えば、「機能的」「美的」「経済的」…など。

記述の多様性ということで私が思い出すのは、イギリスの女流哲学者アンスコムの著作『インテンション』です。

彼女は、次のようなシーンを例に挙げます。

ある男が夜中にノコギリで木を切っています。「何をしているんだ?」と質問された時、その男は何と答えるでしょうか? 普通に「ノコギリで木を切っていたのさ」なのか、「騒音をたてたかったんだ!」なのか、「おがくずを大量につくりたかったんだよ」なのか。

物理的には同じ現象や同じ物に対して、記述は多様にあります。学問領域や論者の立脚地によっても、同じ現象をどのように記述し、分析し、解釈するかは異なってくるでしょう。心理状態や学力を「脳の状態」という物理現象に一元化したり還元することが困難であることをシュマッハー教授は示唆してくれていたと思います。

【Point3】

記述を、ある特定のものに「還元」しようとしても無理なことがある

 

 

今、学びに対して「エビデンス」ベースに語られるべきこと、また価値ある学びが提供されるべきことに異を唱える人は少ないかと思います。

しかし、それらがゆがめられたりすることは、無自覚に学びを提供することと何が違うのか…そんなことを考えさせられた一日でした。

 

私たちが「トレパ」というサービスを立ち上げた時に、念頭にあったことは、このことです。AI(人工知能)を導入することで、価値ある学びが提供できる!と強弁する根拠がありませんでした。(今は、多少なりとも実証的に自信をもっていますが。)

学びは、誰にとっても身近であり、誰にとっても重要なものであるので、誰もが何かしら持論があります。しかし、それを「提供する側」になると急にその責任感の重さを実感します。批評家ではなく、実践家の皆さんと学びを創っていきたい。改めて、eラーニング専門会社として襟を正す思いです。

みなさんも、巷にある学習論を見直してみませんか?

 

◆「教育×AI」について岡田の論は、以前、AINOWさんに寄稿しました。

http://ainow.ai/2017/12/15/129360/

 

 

 

 

教育×AR ~ARの「超越」はeラーニングに何をもたらすか~

最近、JINS MEMEが欲しくてたまらない、「研究員」岡田です。やっぱり、社内でも家庭内でも稟議が必要でしょうか…
さて、皆さんは、ARを普段どの程度使われていますか? 「ポケモンGO」が流行し、一度くらいはAR技術に触れた方もおられるかもしれませんが、普段、そこまで使ってらっしゃる方は少ないかと思います。
まだまだエンターテイメント用の技術であり、普段使い(日常生活や普段の学習)に使うイメージではないでしょうね。
しかし、ARには大きなポテンシャルがあると考えられます。
本日は、8月28日に公開されたMENSONの梶谷さんの刺激的な記事を読んで触発されたので、VRとも異なるARのeラーニング活用について考えてみたいと思います。
その梶谷さんの記事といういのは、こちら。 https://note.mu/kajiken0630/n/n0e43ab1bac6a
この記事を読んで、MENSON(https://www.meson.tokyo/)さんの活動が非常に気になりました。
さて、詳細はオリジナルの記事を読んでいただくとして、この記事では以下の5つのポイントについて、ARが超越していく、と語られています。
1. O/Oの超越
2. 知覚の超越
3. 距離の超越
4. 時間の超越
5. 規模の超越
教育×ARということで、教育(初等中等教育~人材育成)での適用ポイントについて、1に特化して考えてみましょう。
(1)O/Oの超越
個人向けサービスとして、スマホで教科学習を行うというのは一定の認知がされていますし、実際に効果的な勉強方法として利用されています。自分の理解度に応じて、早送りしたり、再度動画再生したりできるというメリットがあり、中高生の中での浸透は結構あります。
ただ一方では、特に初等中等教育では、「コンテンツを提供する側」のオンライン対応が進んでいません。従来、教材といえば「紙」であり、それが永らく支配的でした。英語の教科書と、数学の教科書は別で、ノートは別…そういった物理的に独立している教材は、今や、タブレットで一元化されていきます。ただし、それでも教育上の「壁」となっていたのが、このO/Oの壁です。
教材はあくまでもリアルとは切り離されたものでした。どういうことかと言うと、例えば体育で「野球」のことが書かれている教材があったとして、その教材と、「プレイする」というリアルは一旦切り離されていた、ということです。プレイをしながら教材を見る、なんてことはありえませんでした。よく「座学」という言葉が使われますが、従来の教材を使って学習するのは「座学」の時間であって、「実践」の場・時間とは切り離されていました。(切り離されていたからこそ、知恵・知識が歴史的に遺産として残されてきたという価値はある。)
たとえばビジネスの世界で言われるOJT(On the Job Training)では、リアルな業務を遂行することで、経験値が向上することが期待されているのですが、この場合にはうまく「座学」との連携をつくることができませんでした。まさに、O/Oは、On the Job Training/OFF the Job Trainingともなっていたわけです。
しかし、終身雇用よりも、即戦力が求められ、人材育成もスピード化が求められたり、安全でミスのない業務遂行が以前よりも強く求められる中で、リアルな業務中に知識を検索し、活用できることが求められています。
その時に、O/Oが超克されると、事態は一変するでしょう。
座学で学ぶ内容が、リアルな業務中に閲覧できたり、アラートを示してくれたり、指示を出してくれたり。業務マニュアルを、実地配属される前に熟読するという準備期間が不要になっていくかもしれません。
 
このようなリアルな業務に基づいた学習の場合、業務マニュアルや教科書というものの「内容」ではなく「目次」と「順序」がなくなっていく可能性があります。eラーニング業界では最近「マイクロラーニング」が流行しているのも、このような流れにフィットしていきやすくなるでしょう。
外食業界では、アルバイトの育成にマイクロラーニングが利用されています。例えば、松屋フーズ様のマイクロラーニングは弊社が手掛けています。
マイクロラーニングのポイントは、
・短時間のコンテンツ
・スマホで受講可能
ということで、通勤・通学時のスキマ時間での学習が可能なところです。今どきのライフスタイルに合致していますね。
マイクロラーニングも、単純に時系列順に並んだ従来の学習動画コンテンツを「細切れ」にしただけでは面白みがありません。その時の状況や場所や目的に応じて、適切なコンテンツがピックアップされたり、出現したりする方が実際的でしょう。
例えば、理科実験。メガネ型デバイスで、フラスコを見ると、そこにAR・MRで今からの実験のプロセスと注意点が示される。
その通りに実験が終われば、一つの単元の学習が終了したという履歴が残されていく。そんな世界観です。
その体験学習をした人だけが、次のステップとしてレポート課題にチャレンジしたりして深くリフレクションを行う、というような設計にしても面白いですね。
梶谷さんが指摘している2の知覚の超越も、熟練者と初学者という軸に落として考えると、熟練者が持つ感覚や着眼点を初学者に提供するという支援もできるようになれば、生産性が向上すると思います。