頑張れ日本!/ぬちぬすーじさびら!

By | 2011年3月17日

皆さん、こんにちは。ヒゲです。

戦後最大級の日本を襲う災害、少なくとも高度成長期に生まれた私にとって、これほどの災害に遭遇した経験はありません。
今回の災害で亡くなられた多くの方々に深い哀悼の念を表します。
連日の報道で亡くなられた方、行方不明の方の数が恐ろしく増えていくことに、目を覆うばかりです。
地震および津波で被害に遭われ、今尚避難所で寒く不安な日々をお過ごしの方々の一日も早い復興と心の平安を願わずにはいられません。さらにこの数日間続くであろう寒さを思うと不憫でなりません。
そして、災害現場で必死の救出活動をなさっている方々、原発で放射線と戦いながら文字通り命がけで戦っている方々に心からエールを送ります。
我々で出来ることはないか、と社内でも話をしております。
週明けに、社員1人1万円相当、計70万円を日本赤十字を通じて寄付いたしました。
微々たるものかもしれませんが、少しでもお役立て頂ければと思います。
電力不足が続いている最中なので、社内ではできるだけ電気を使わない運用をしております。
冷暖房は切って、社内の照明も蛍光灯一列のみ、ショールーム/会議室も電気を落とし、余計なサーバ/PCを落としています。
また、明るいうちに業務をしようということで、通常はフレックスタイムで10:30出社のところを、9時出社にして業務にあたってます。
運行ダイヤが大幅に乱れている通勤電車にも負けず、弊社スタッフは早くから出社し、業務にあたっております。
こういうときだからこそ、我々遠方にいるものは、通常通り、いや、通常以上に業務を行い、経済活動を活発にし、日本を支えなければならないと思っております。
その信念に同感し、当たり前に業務を行っている姿に深く感銘を受け、よし、頑張ろう! という気になってきます。
多くの方が言うように、我々日本人の底力は捨てたものじゃありません。
こんな災害に遭っても暴動・略奪は起きず、秩序や思いやりは保たれております。
日本中の皆で力を合わせて、出来ることをやり、被災者を、東北を、そして日本を復興させましょう。
その中で我々デジタル・ナレッジがeラーニングや教育を通して出来ることも数多くあると思います。
最大限努力し、協力を惜しまず、共に歩んでいこうと思います。
さて、ここからは完全に個人的な話です。
結婚して5年目、子供が生まれてもうすぐ4年になりますが、私は妻や子供の前で泣いたことは一度もありません。
しかし、今回だけはどうも溜まらず、テレビで被災者の方が苦しんでいる様子、親を亡くした子供が卒業式に出席している様子を見て、どうにも堪えきれず、泣いてしまいました。
三歳になる娘は私の膝の上で「どうしてないてるのー?」と無邪気に訊いてきました。それが尚のこと涙を誘いました。
そして、
実は私の妻が二人目を妊娠しており、この5月に出産予定なのですが、
このことを家族や会社にはお伝えしてましたが、友人にはまだ伝えていませんでした。
今回の震災のさなか、どうかなとは思いましたが、いや、今だからこそ伝えたほうがいいと思い、twitterを通して友人に妊娠の旨を伝えました。
たくさんの友人からお祝いのメッセージをもらった中で、沖縄の中学の同級生で放送作家をやっている友人から「ぬちぬすーじさびら!」とメッセージをもらいました。
そして、毎週月曜日に彼も出演する地元沖縄で放送されるラジオ番組のPodcastingを聞きました。
ここで友人は、こういうときに普段の放送をするべきかどうかを悩み、結局普段の放送をしようと決めた経緯について話し、放送がスタートしました。
放送の中でも、この「ぬちぬすーじさびら!」の話もしてくれました。
戦時中、夥しい戦争の犠牲者を出した沖縄、戦後、難民収容所の人々が日々の生活にも困り絶望している中、小那覇舞天(通称「ぶーてん」)が夜な夜な三線を手に人の家を練り歩き「ぬちぬすーじさびら!」と言って家に入って、三線をかき鳴らし歌い踊ったというのです。
「ぬちぬすーじさびら」とは、沖縄の言葉で「命のお祝いをしましょう」という意味です。
「どうしてこんな悲しい悲惨なときに、歌を歌ったりお祝いしたりできるの!!!」
と周りが言う中、ブーテンはこう言ったそうです。
あなたはまだ不幸な顔をして、死んだ人たちの年を数えて泣き明かしているのか。生き残った者が生き残った命のお祝いをして元気を取り戻さないと、亡くなった人たちも浮かばれないし、沖縄も復興できないのではないか。さあ遊ぼうじゃないか」

この輪はやがて広がっていき、人々の心に平安と活力が生まれてきたと言います。


この放送を聴いたとき、私は涙を流してしまいました。
この友人が妊娠を祝ってくれ、そして頑張れとエールを送ってくれているのを感じ、
なんともいえない感謝の気持ちと、よし、やらなきゃという思いが沸き起こってきました。


沖縄の方言に「命どぅ宝」(ぬちどぅたから)という言葉があります。
「命こそ宝である」という意味で、広く反戦/平和運動のスローガンとして、
沖縄はもとより内地でも広がっている言葉だと思います。

もちろん、「命どぅ宝」であることは間違いありません。命は何をおいても大事なものです。
そしてこの時期だからこそ、ここに新たに「ぬちぬすーじさびら」の精神を持って
これからの復興にあたっていければと思っております。

ブーテンの詳しい話はこちらにも掲載されておりますので、ご興味のある方は是非ごらんください。