eラーニングの運用管理・教材制作を現場サイドへ

By | 2023年1月27日

今日は2023年1月27日、数日前から日本全体を冷凍庫に入れたような寒さが続いており、今日は昼過ぎから東京でも雪が降る可能性も言われています。あらかじめ今年の冬は寒くなると昨年のうちから言われていましたが、実際にここまで冷え込むと暖房の前で縮こまったり、やがて来る立春からの暖かさを待ち遠しく思ったりします。

(もうお正月から随分過ぎましたが)改めまして2023年、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

毎年弊社ではお正月の時期に合わせて「新春カンファレンス」を開催しております。年頭にあたり、弊社が関心を持っていることや、この一年の活動計画について皆さんに共有する場としてお話しさせていただいております。コロナ以前は弊社セミナールームや秋葉原のUDXシアターなどのリアルの場で、直接皆さんとお話させていただいておりましたが、このコロナ禍で数年間はオンライン開催としておりました。今年はやや緩和し弊社セミナールームとオンラインのハイフレックスでの開催でした。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

今回のブログでは当日発表したものの中から、特に運用管理にフォーカスをあて、我々の考える運用管理のご提案、可能性についてご紹介いたします。

【2023年デジタル・ナレッジ主催新春カンファレンス】

eラーニングの概要(おさらい)

改めて、eラーニングの構成や利用者の概要を紹介します。下の図をご覧ください。

【典型的なeラーニングの概要と利用者】

学習管理システム(LMS=Learning Management System)がサーバ上に構成されており、すべての利用者はこのLMSにネットワークでアクセスしてサービスを利用します。

まず図の左下の教材制作者は解説動画、テスト問題、テキストなどのコンテンツをLMSで作成します。コンテンツ単体を目次やカテゴリなどで整理したコース化されたコンテンツはLMSにコンテンツとして登録されます。

図の左上の管理者はLMSで受講者登録しID/パスワードを発行したり、誰がどのコースを受講するかといった受講登録を行います。こうして受講者が学習できる環境が整いました。

いよいよ受講開始です。図の右側の受講者たちが、パソコンやスマートフォン、タブレットを使って学習を行います。そうして学習した結果(誰が、いつ、どこを、どのくらい勉強したか? テストの結果はどうだったか?)を学習履歴として保存します。

こうして蓄積された学習結果を参考に、図の左のメンターが学習遅延者への声掛けや不明点のフォローなどを行います。

このようにLMSを中核に様々な利用者が教材を作ったり、学習したり、運用したり、管理する・・・ これが一般的なeラーニングの概要です。

ちょっと脱線:いいレストランの条件とは

話は脱線しますが、ここでいいレストランについて考えてみたいと思います。

皆さんもお気に入りのレストランってありますでしょうか? 料理が美味しい、サービスが素晴らしい、雰囲気がいい、おしゃれ、居心地がいい、立地がいいなど、様々な条件が重なって、ここはいいレストランだと気に入るのだと思います。

【いいレストランの条件ってなんだろう?】

我々は、客席に座る客として、目に見えてサービスされる空間や料理で評価します。料理の味はもちろん、給仕する人の立ち振る舞い、客席のデザインや清潔さやカトラリーや調度品に至るまで、細かく見て感じていることでしょう。

ただ、客席側のこれら目に見えるサービスの裏には、お客さんの目には触れない裏側があります。料理するシェフやスタッフの技術や経験、それを形にするための厨房や厨房設備、料理道具などの設備がきちんと整備されて初めて、表側の目に見えるサービスに反映されます。いくら客席は完璧でも裏側の厨房がボロボロだと、結果美味しい料理は提供されず、お皿だって汚れたままの状態で提供されるようになっちゃうと、いいレストランとは言えないことでしょう。

つまり、いいレストランは客席側だけでなく厨房にも気を遣って整備されていることが必要十分条件になります。

これと同じことがeラーニングにも言えると思います。受講者側の機能(≒客席)だけでなく、管理者や教材制作者の機能(≒厨房)も整備しないといい学びの環境を提供できないと思います。

一度、管理機能中心に考えてみよう

では受講者の機能と管理機能が足並み揃えて進化しているかと問われると、少なくとも弊社の場合はそうでありませんでした。

弊社のLMSである”KnowledgeDeliver”を提供するにあたり、受講者側は新しい機能を追加したり、ユーザインタフェースも(前回のブログで紹介したように)様々なデバイスや新たなデザイン言語に合わせて、新たなバージョンを積み重ね進化を続けています。

一方、管理機能側は受講機能の新機能搭載に合わせて機能項目は追加されているものの、デザインやユーザインタフェースについて見直されることはなく、建て増しが続いています。機能としては果たしているけれど、建て増しでぐちゃぐちゃになっている、そういう状態です。

そこでKnowledgeDeliverをバージョン7に大きくバージョンアップするにあたり、管理・教材制作機能を中心に一度見直しをかけよう(厨房を綺麗にリフォームしよう)と思い至りました。このKnowledgeDelive7のリフォームの詳細については前回のブログをご覧ください。

なぜ管理機能の使い勝手の良さが重要なのか

では、なぜ管理機能の使い勝手の良さが重要なのか? 改めて考えてみると、まずは下記2つが言えます。

  1. 作業の効率を高め、スムーズにミスなく業務を行うため
  2. 新たに管理や教材制作に携わる人がスムーズに作業に取り掛かれるよう、一般的なWebサービスのUIと同等のクオリティ・内容で提供したいから

これら作業の効率性、視認性の向上には管理機能の使い勝手の良さは大きく寄与することでしょう。ただ管理機能の使い勝手の向上にはもう一つの狙いがあります。

 3. 運用管理や教材制作に携わる人を増やしたい

「増やしたい」といっても単に人数を増やすだけではなく、増やすことによって学びの環境をバージョンアップできる可能性を秘めているのです。紐解いて説明します。

(今更ながら)Web2.0の話・運用管理を幅広い人に

皆さんはWeb2.0を覚えていらっしゃるでしょうか? 今現在はブロックチェーンや分散型Web技術などによるWeb3.0が注目を集めていますが、Web2.0は今から20年ほど前、2005年ごろ、ティム・オライリーによって提唱された概念です。どういう概念かというと

Web2.0とは・・・旧来は情報の送り手と受け手が固定され送り手から受け手への一方的な流れであった状態が、送り手と受け手が流動化し、誰もがウェブサイトを通して、自由に情報を発信できるように変化したウェブの利用状態。

Wikipedia

Web2.0が提唱される前のWebの世界では、例えばニュースは新聞社やテレビ局といったメディアが一方的に情報源であり、それをエンドユーザである我々が受け取るという関係性でした。今でもこの流れは残っていますが、メディアが一方的に送るという流れだけでなく、個人が情報を発信する情報源も非常に普及しています。テレビではなくYouTube、新聞ではなくtwitter、雑誌や写真集ではなくinstagram ・・・ こういう誰もがWebサービスを通して自由に情報を発信するのが爆発的に普及し、既存のメディアを脅かすほどになっています。

このWeb2.0的な考えをeラーニングの世界にもっと取り込むべきじゃないか? そう考えています。

管理者や教材制作者として特定の人に固定するのではなく、Web2.0的に、誰もが管理や教材制作をできるようにしたいと思っています。

例えば管理を教育担当者だけが行うだけでなく、上司が部下を、先輩が後輩を、トレーナーがトレーニーを、それぞれ業務に直結した関係性で管理すると、管理する人が受講者が直接接している人でもあるので、管理する人にとってはeラーニングの管理機能の情報からリアルな気づきが得られるでしょう。その結果、部下や後輩やトレーニーなど、学ぶ人が実践に即した声がけをされ、より成長に結びつくのではないでしょうか。

この環境を実現するには、多くの人が自然に使いこなせる管理機能が不可欠です。

ユーザがコンテンツを作るUGC

もう一つ、Web2.0的な発想に立った概念の紹介します。UGC(=User Generated Contents)です。従来の教材制作のプロや教員が教材制作するのではなく、ユーザ(=受講者)が教材制作をする環境を指します。

【旧来の教材制作とUGCに則った教材制作】

昨今のWeb2.0的なメディアはUGCの考えに基づいてコンテンツが制作され配信(共有)されています。例えばInstagramはプロの写真家ではなく個人が写真をアップしてますし、YouTubeやTikTokでは放送局や映像制作会社ではなく個人が動画をアップしています。新聞社や雑誌社やプロのライターが書く記事ではなくtwitterやnoteでは個人が発言したものが広く流通しています。こういう具合に一部のプロの方ではなく、ユーザに近い人が情報を発信していくのがUGCの世界観で、それは現に起こっている現象です。

同じことをeラーニングでも行えないか? 外部の教材をそのまま教材として提供するのではなく、現場に今必要な教材で実践的かつ効果の高い内容を提供するべく、現場や現場に近い人が教材を作る環境を提供すると解決できることは多いのではないでしょうか? 

【教材調達・制作の進化、より現場サイドへ】

教材会社さんの教材は社会人の必須のリテラシや資格取得などには適していると思いますが、その企業さんや学校さんの持つコアな部分は自前で用意するしかありません。こういうのを外部委託するのではなく社内で、それもその業務の担当者自身が制作できると、より実践に即した内容になるのではないでしょうか。

例えば、こういうコンテンツを社内で作成して共有するのはどうでしょうか? 今年の会社戦略、最新の商品情報、キャンペーン情報と展開方法、新しいツールの使い方、優秀なスタッフのベストプラクティスの共有、事例の共有・・・ 社内には多くのノウハウが散在しており、それらを整理して形式化すると、ノウハウが一人の人から多くの人に共有されるようになるでしょう。

そういったWeb2.0的、UGC的な教材制作を行うためにも、多くの人が自然に使いこなせる管理機能・教材制作機能が不可欠です。

ちなみに弊社がこのUGCの概念を意識したのは最近のことではなく、創業以来このUGCの着想に基づいてeラーニングを提供しています。詳しくはこちらのブログをご覧いただければと思いますが、創業時から教材は専門業者が作るのではなく、現場の先生方が直接作る環境を提供することでノウハウをお持ちの方が教材制作を行い、より実践的かつ有益な教材を集めて受講者に提供するということを念頭に置いてきました。

Web2.0的管理、UGC的教材制作

Web2.0的に多くの人が様々なレイヤで現場に即した管理を行ったり、UGC的にノウハウをお持ちの人が直接コンテンツを制作するといった考えについて展開しました。

【管理や教材制作が拡張され、より現場へ展開されたイメージ】

上の図のように、従来の手法では雲の上の人のような先生の教材を受けたり普段接することのない方が管理をするような構造だったところを、Web2.0/UGCの要素を取り込むことで、現場ノウハウを持った人が作った教材で学び普段から接する先輩や上司やトレーナーが管理することで、より実践的な学びの環境が提供できるのではないでしょうか。

(レストランの)客席の整備だけでなく、厨房の整備も行うことがいいレストランの条件であるように、いい学びの環境の提供のためにも受講者側の機能だけでなく、管理者・教材制作者の環境も使い勝手の良さを重視した整備を行い、より身近で実践的な学びの機会を整備できることでしょう。

このような学びの環境、共に教え、学び、育つ環境を是非ご検討ください。(そのためにもKnowledgeDeliver 7は最適だと思いますので、ぜひご検討ください。・・・ちょびっと宣伝です)