Learning Analyticsの新サービス”Analytics+”提供開始(その2:Robot / Project)

By | 2015年10月28日

前の記事から引き続き、Analytics+の紹介です。

Analytics+概要

Analytics+概要

 

前のブログではAnalytis+/ Viewを紹介しましたが、引き続き紹介を続けます。

2つ目、Analytics+ /Robot

Robotは、受講者に対して学習をより円滑に効果的に行う環境を提供するために教育ビッグデータを活用します。具体的には教育ビッグデータの分析結果から導き出したアルゴリズムを利用し、受講者の学習状況や行動履歴をもとに自動処理を行うエンジンを提供します。

例えば、受講者の履修傾向から「次のオススメ」の教材を提示する「レコメンド機能」や、受講者の理解度・苦手領域などを判断して 個々の受講者にあったレベル・分野の学習項目を提示する「アダプティブ機能」などがあります。

 

今回はリリースに合わせて1つ機能を用意しました。「退学予兆検出エンジン」です。この機能は早稲田大学人間科学学術院 松居辰則研究室との産学連携プロジェクトで生まれた機能です。

学校の運営・経営にとって、学生の退学をいかに防ぐかは大きな経営課題です。この「退学予兆検出エンジン」は退学者の予兆を事前に検知するためのものです。詳細は、また別途説明した方がよさそうですが、概要をかいつまんで説明します。

退学予兆検出の仕組み

退学予兆検出の仕組み

人はどうして退学するのか? 退学は成績不振などの直接的な事実以前に、学習意欲の低下・経済的理由・生活の変化などの原因があります。そういう原因が起きて成績不振や欠席となり最終的に退学につながります。

当エンジンでは退学につながる「姿勢」の変化に着目し、退学に相関する行動を特定、 それら行動の変化から退学予兆を検出しました。

どういう行動の変化をとらえればいいのか? 実際の通信制大学のデータを分析すると、例えば下記のような行動が明らかになりました。

  1. 「授業終了後の退室時間、授業の回ごとに増加もしくは減少する傾向に要注意」 →授業終了後も教室にダラダラと残ったり逆にサッサと早く退室する傾向が続くと、 「姿勢」が悪化している傾向が見られます。
  2. 「会議室での発言が突然増減するのは要注意」 →普段会議室へ積極的に発言している人の発言数が突如減少したり、普段あまり発言しない人が突如発言数が増加した場合、「姿勢」が悪化している傾向が見られます。
  3. 「質問数の増減には要注意」 →質問件数が徐々に増加もしくは減少することが「姿勢」の悪化につながる傾向が見られます。
  4. 「授業後アンケートの特定質問と退学の相関関係が強い」 →授業後毎回収集する授業後アンケートのうち、「姿勢」を大きく反映する有効な項目がありました。

2〜4はそんなものかという感じかもしれませんが、ちょっと興味深いのは1でしょうか。授業が終わって退出する時間について、ダラダラ残る傾向が続くか、あるいは逆に授業終了後さっさと退席する傾向が続くと、退学につながりやすいようなのです。私はこの分析を結果を見て結構「へー」でした。

こうして得られた退学と相関の高い行動の変化を決定木という手法でロジック化し、実装したのが退学予兆検出エンジンです。

通信制の大学で作ったエンジンですが、同様のことは他の大学や企業・教育機関にも提供させていただきます。ただ、このケースと相関の行動が異なるでしょうから、そこはデータ分析させていただき、適切な行動を調査の上、個別に調整いたします。

 

教育ビッグデータからノウハウをアルゴリズムという形で引き出し、そのアルゴリズムによって学習活動に有益なアクションを起こすというのがRobotの位置付けです。

 


さて最後、3つ目がAnalytics+ /Projectです。

これまで紹介したViewRobotは、(Robotの利用には個別の調整が必要ではありますが)弊社から提供するパッケージです。

このProjectはフリーハンドに、ご一緒に産学連携プロジェクトを行いませんか? というお誘いです。

今回「退学予兆検出エンジン」を共同開発した早稲田大学の松居教授もそうですが、世の中にはLearning Analyticsの研究を行う大学の先生方や研究機関の研究者がいらっしゃいます。企業や教育機関の方が自分の組織にある教育ビッグデータを深掘りして分析したり、そこから独自のアルゴリズムに基づいたRobotのようなものを作りたいという時、専門の先生方や弊社がご一緒にプロジェクトを組んで進めることができます。そのようなニーズをお持ちの方は是非お声がけください。

ちなみに今回ご紹介したAnalytics+のViewとRobotは、すべてヒゲこと吉田の手によるものでして、一応、弊社の中では「ラーニング・データサイエンティスト」の第1号となっております。当初はProject発足の際には私もメンバーとして加わる予定です。

 

 

というわけで、2回に渡りAnalytics+を紹介してきましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

なお、Analytics+の詳細は10月28日〜30日に開催中のeラーニングアワード2015フォーラムの弊社ブースにて紹介するとともに、10月30日11:50〜12:40のセミナーでも私が登壇し紹介いたします。詳しい話をお聞きになりたい方は、ぜひこのセミナーにご参加ください。(事前申し込みが必要です)

 

あ、そうそう。お値段について話をしてませんでしたね。

Analytics+ /Viewは、無料提供となっております。

繰り返します。Analytics+ /Viewは無料です!

すでにKnowledgeDeliver5以降をご利用の方、そのASPサービスのナレッジデリ(Ver.3以降)をご利用の方はすぐにご利用いただけます。ただしデータベースから分析に必要なデータを持ってくるのに手間がかかる場合があり、この場合は手間賃実費だけ頂戴する形になります。ただナレッジデリはこの限りではなく、完全に無料です。おっしゃっていただければViewの分析結果をお渡しいたします。

そしてManandaでも同様に無料です。ManandaのAnalytics+はKnowledgeDeliverのとは少しインターフェイスや仕様が異なりますが、実はもうすでにいくつかの機能がManandaのサイトに登録されております。

RobotProjectは、それぞれの特性上、個別の対応が必要となるため有償オプションとさせていただきます。こちらは別途ご相談ください。

 

Learning Analytics、これからのeラーニングの重点領域の一つです。

先日のブログでも触れたことを繰り返しますが、あまり期待値ばかり高くて煽ってもしょうがないので、針小棒大ふうなことは申し上げませんし、まだまだ発展途上であることも確かです。

ただ今後、eラーニングや教育の大きな領域となるポテンシャルを持ったLearning Analyticsが、コンセプトではなく「具体的に」どういうものなのかをご覧いただき、活用イメージを抱いていただくにはAnalytics+はいいサービスだと思います。何せ「実験・検証レベル」ではなく「もうすでに触れることのできるサービス」なのですから。

 

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